「三さけのまち村上」で蔵と地酒を観光資源に ニーズに応えながら伝統を守る『大洋盛』

全国に先駆けて大吟醸を市販化するなど、つねにチャレンジを続けてきた。

■多様な消費者ニーズへの適応戦略

大洋盛


「当社は複数の蔵元が集まった酒蔵ですから、いろいろな英知が結集され、様々なアイデアが生れる風土があります。製造現場や栽培農家からの発案や提言もオープンに議題に上っています」


『甘口純米吟醸 大洋盛 スカイブルーラベル』や、定番の晩酌酒として支持される村上地域限定『大洋盛 紫雲 純米吟醸』をはじめ、日本酒ベースの各種リキュールなど新商品が次々に誕生しているのは、こうした背景によるのだろう。

「淡麗辛口を持ち味としてきましたが、いくつかのブランドにはある程度の個性を持たせることを目標にしています」と村山社長。 淡麗辛を基本としながらも多様な消費者ニーズへの適応戦略も着々と進めている。

「私が入社したのは1996年で、新潟清酒の出荷量がちょうどピークの年でした。でも7~8年前から個性が求められる傾向があります。当社では売れ筋ゾーンのものは辛口のまま、より磨きをかけるスタンスをとっています」


飲み手から求められるレベルが底上げされてきた現在、抜きんでたものが必要。後味の引けの良さをさらに高め、高品質を追求するために、製造の心臓部「麹室」をリニューアル。

麹を造る製麹装置を導入したり、あえて旧来型の搾り方式を可能とするステンレス製搾り機を購入するなど、酒造りの新しい装置を充実させたという。


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■観光蔵推進戦略でコアなファン作りも

大洋盛

市の推奨する「鮭・酒・人情(なさけ)のまち村上」キャンペーンに呼応して、大洋酒造でも酒蔵を開放し「町屋の人形さま巡り・町屋の屏風まつり」に参加してきた。

村山社長:当初は古い酒蔵の土蔵を使っていたのですが、試飲販売もすることから常設展示場を新設しました。2011年に「和水蔵(なごみぐら)」として開場、ここに酒文化にまつわる品々を展示し、同時に試飲もしていただける場にしました。


観光資源のひとつである地酒の魅力を向上させ発信することにより、地域経済の活性化に貢献したいと考えたからです。


コアなファン作りも地酒蔵には必要と、村山社長は話を結んだ。 以下は蔵元お勧めのお酒。

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