ビジネスモデルを作る意気込みで挑戦を続ける『苗場山』 酒蔵が町の活性化にも
スキー場や『FUJI ROCK』などでよく知られる苗場。そこで地域おこしにも積極的な日本酒の蔵。
■酒の名を広め、町を盛り立てる
2014年、津南町旅館組合からタイアップの相談を受けた。たび重なる地震などの災害もあり、集客回復の手段として、宿泊者の特典になるようなお酒を作りたい、という。
旅館組合の担当者たちは、ボトルや酒質、ラベルのロゴの選定はもちろん、酒米作りから仕込み体験まで関わって一緒に造り上げた。
ただひとつ、こだわりのボトルがそれなりに高価で、そこへ純米大吟醸を詰めるため、価格の設定が懸案事項となったが、社長からの後押しもあり、儲け度外視で取り組んだ。
これが功を奏し、飲食店などからも続けて話が持ち込まれたという。 直販に関しても、多くの酒蔵が利用を躊躇している大手通販サイトを積極的に活用している。
■「苗場山」という名ゆえの苦労も
著名な「苗場」を冠したゆえの苦労もあるという。
福嶋さん:タイアップはこれからも積極的に進めていきたい分野です。何か新しいスタイルを確立して、ビジネスモデルになれれば。 通販のお客さまは検索で選ぶことが多いので、名前を覚えていただくことが先決。
ところが『苗場山』は、「酒」と入れないと、まず山、スキー場……。今後の課題ですね。 でも、積極的にトライは続けてしていきます。蔵人が心を込めて醸したお酒をたくさんの方に飲んでいただきたいですから。また、こういった経験が同業の方たちにも参考になれば、とも思いますね。
蔵元が薦めるお酒を紹介しよう。