センサーは蔵元自らの手 小さい蔵には効率のいい昔ながらの製法で造る『越後美人』
創業210余年ながら、さまざまな紆余曲折を乗り越えてきた小さな蔵元。
■古式を大切に今様を探る、心込めた酒造り
その歴史の重さを感じているのか、飯野さんがいつも心に留めているのは、「古式を大切に今様を探る、心込めた酒造り」をすること。
「素人同然だった自分が、思った酒を造れるようになったのは、心配してくれた先代杜氏の紹介で、本来は入れない杜氏組合に入れてもらったこと」
研修旅行や鑑評会などにも、隔てなく一緒に学ばせてもらったことが大きいという。飯野さんの人柄ゆえかもしれないが、厳しいばかりでなく、助けてあげようという気持ちを優先した、人に余裕のあった時代なのかもしれない。
■小さな蔵だからできる、昔ながらの丁寧な酒造り
飯野社長:本当に小さな蔵ですから、ラベルも手書き、麹は普通酒でも限定給水、蒸米の温度を測るセンサーも使わない。手がセンサー、その方が早い。槽搾りか袋吊り、丁寧に造っていることも本当ですが、小さいからその方が効率もいいんです。
10人が10人美味しいというんじゃなくて、口に合う人がいて、その人が熱烈な大ファンになってくれれば嬉しいんです」
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