はあちゅうこと伊藤春香氏、「童貞いじり」で炎上 弁護士や識者の見解は…

セクハラ・パワハラ被害の声を上げたはあちゅうこと伊藤春香氏が、過去の「童貞いじり」発言で炎上。

■「いじり」への警鐘も

一方、官能・怪奇小説を著し、性表現にくわしい作家の川奈まり子氏は、しらべぇ編集部の取材に対して、伊藤氏に同情を示しつつ次のように述べた。

「私は、はあちゅうさんの童貞いじりに限らず、お笑い番組などが流行らせた『いじり』全般をかねてから不快に思っていました。『いじり』は差別や虐待を娯楽化して暴力性を隠蔽してしまうマジックワード。


そういう意味では『ちかん』『いじめ』という言葉と似ていて、いじっているほうは加害者の自覚がないことが多いのでは。しかしいじられているほう(この場合は童貞)は痛みを感じているわけです。だからはあちゅうさん自身は全く悪気がなかったのに多くの男性の怒りを買っていたんですね。


『いじり』の加害性に気づいていた人々からも良く思われてはいなかった。でも、彼女の童貞いじりとセクハラを告発したことは関係がありませんよね。たとえば、はあちゅうさんがセクハラしたことがあったとしても、『されたセクハラ』を告発することができなくてはいけないと思います。


泥棒が泥棒されたらいい気味だと嗤うようでは、法治国家とは言えません。私たちは進歩すべきだと思います。もっと洗練され、スマートで、公正な社会にしていきたいと思いませんか?」


童貞いじり問題とセクハラ告発は、それぞれ別のものとして取り扱われなければならないだろう。


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■弁護士の見解は…

レイ法律事務所の松下真由美弁護士は、昨今「女性から男性へのセクハラ」も増えてきていると語る。

松下弁護士:近年では、女性から男性に対するセクハラ、いわゆる「逆セクハラ」などと呼ばれる被害に遭ったというケースも散見されるようになってきています。


まず、セクハラとは、一般に、相手の意に反して行われる、性的なことに関連する嫌がらせのことを言います。セクハラに該当するかどうかは、被害を受けた人の主観を重視しつつ、一定の客観性、つまり、平均的な人だったらどう感じるかということに照らして判断されます。


セクハラは、会社内での処分の対象になることはもちろん、民事での金銭的な賠償を請求される可能性もあります。また、行為態様にもよりますが、非常に悪質な場合には、強制わいせつ罪や名誉毀損罪、侮辱罪などに問われることもあります。


男性から女性に対する行為であっても、女性から男性に対する行為であっても、相手の気持ちを思いやれなければ、セクハラになり得ます。とくに、逆セクハラの事案については、「男女がもしも逆の立場だったら」と考えてみると、違う感想が生まれてくるかもしれませんね。


伊藤氏に対する批判が、セクハラ告発の芽を摘むようなことは許されない。他方、「相手の意に反して行われる、性的なことに関連する嫌がらせ」は、決して「男性→女性」の関係性においてだけとは限らないことも心しておきたい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/レイ法律事務所松下真由美弁護士 川奈まり子 村田らむ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
・調査期間:2017年11月17日〜11月20日
・調査対象:全国20〜60代男女1,328名(有効回答数)

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