自然遺産の町で200年の時を超え受け継がれてきたもの 新潟・糸魚川『謙信』の蔵

謙信

■伝統の蔵に息吹く新しい感性

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斎藤さんは責任者に就いて4年目、今年こそ逃したものの、その前には2度も全国新酒鑑評会で金賞を捕えている。ちなみに『謙信』はここ10年間で7回も金賞に輝いた。

杜氏のポジションにある池原常務の指導のもと、若い造り手がチームを組む池田屋酒造。200年の伝統ある蔵に爽快な風の流れを感じたのは、彼らの生み出す求心力のせいかもしれない。


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■地元で愛され全国へ

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蔵に向かうタクシーの中で、ドライバーが話してくれた。冬になると自分はスキーの競技会で全国各地に出かけるが、その際に必ず携えるのが『謙信』の一升瓶2本。

夜の親睦会のためだが、『謙信』はいつも人気の的。楽しみにしている仲間のために、重たいのを我慢して持っていくことにしている、と。

地元に根強いファンがいることは、酒蔵にとって大きな強み。実際、池田屋酒造では吟醸酒・純米酒といった特定名称酒と普通酒の製造割合は半々だが、販売先は6割が地元県内。残りは関東主体の県外という。

地元での消費量が減少している蔵元が少なくない中、県民の地元愛をしっかりとつかんでいると言える。

「普通酒メインでやってきたが、これからは純米系主体にシフトすることを考えている。ただし、当社は地元糸魚川の人たちの好みを十分考慮して造ってきた。それを見失わないようにしたい」とは池原常務の弁。

歴史と伝統を踏まえながらも、新しい志向がここにも垣間見えた。

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■米と水と対話しながら心醸す