名産地・岩船の酒米と「不二の井戸」の軟水で二つとない酒を醸す「地酒の中の地酒」とは
新潟県・ふじの井酒造の酒造りを蔵元に取材。
■地の米、水、技で醸す真の地酒
「これこそが、私たちが目指す『地酒の中の地酒』なのです」と、小林社長は、胸を張る。 一杯の酒に凝縮された地域の風土や文化を味わう。そんな地酒の醍醐味を表現した銘柄こそ、「ふじの井」なのだ。
小林社長:『ふじの井』を醸しているのは、製品管理部部長の小池悟(冒頭写真左)をはじめとして、40~60代の蔵人5人。全員が酒造技能士もしくは新潟清酒学校の卒業生で、酒造経験は20年以上を誇ります。また、このうち1人は大吟醸酒などに使う原料米「越淡麗」の栽培も手掛けています。
歴代の越後杜氏から学んだ技を大切にするのはもちろん、「毎年が一年生」との謙虚な気持ちを忘れずに、これからも良酒を醸し続けます。
■「オール新潟」で醸す贅沢を、日常酒に
「『ふじの井』の認知度は決して高いものはありません。だからこそ、飲み手が心から美味しいと思う酒を醸していきたいのです」。銘柄への想いをこう語った小林社長は、“オール新潟”で醸す贅沢な酒を手ごろな価格で提供し続けてきた。
中でも本醸造酒は価格こそリーズナブルだが、原料米は精米歩合60%と吟醸酒並みに磨き込むなど、造り手のプライドが垣間見える。
蔵には最新鋭の設備こそないが、この地の恵みを存分に受け、飲み手のためにと真摯に打ち込む酒造りに、小林社長や蔵人たちは大きな喜びを感じている。
日々の食事とともに味わう楽しみや、お気に入りの酒を大切な人に贈ることができる幸せを、ふじの井酒造はこれからも酒に込めて届けてゆく。
蔵元が薦めるお酒を紹介しよう。