人気商品の大幅刷新「大反対された商品売れる」の確信と抜擢

日本に「デザートドリンク」という新カテゴリを築き、大ブームとなった『ドロリッチ』の新旧開発者にインタビュー。

■より理想に近づいた

(新旧パッケージ コンパクトになった分、中身はより贅沢な味わいに)

そんな苦労の先「ずーっとダメ出しされて、もう正解がわからなくなったくらいに『よし、これで行こう!』と言われた時は、嬉しかったですね。

食感や味わいなどの評価されている『ドロリッチ』のアイデンティティは残しながら、味は組み合わせの妙で大きく変更。発売前のモニター調査でも、パッケージのかわいさ、オシャレ感、持ちやすさは高く評価されましたし、150円という価格帯で濃密な味は“カフェより手軽でいい”と好評でした」という柳澤さん。

上司である有馬さんも、「よくゼリーとクリームだけでやったな、と。マーケッターとしてではなく、一消費者として“いい”と思いました。ターゲットである女性の飲み切りサイズを考え、容量はコンパクトになっているけど、コストダウンしてない――ダウンするような商品だったら、僕がOKしてないですしね。(笑)

小さくしても満足度を上げるため、クリームやコーヒーによりこだわって、さらに濃密、凝縮感がある。本当にやりたかった理想に近づいたことで、誕生当初の『ドロリッチ』を食べた時の感動に近い」と自信をのぞかせる。


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■受け継がれたバトン

(「僕はもう、さみしいだけ」という有馬さんと、期待と不安にも笑顔の柳澤さん)

リニューアルした『ドロリッチ』のメインターゲットは、若い働く女性――活躍の場が広がる一方、ストレスやプレッシャーがあり、“このままでいいのか?”と悩む――商品開発に取り組んできた柳澤さんの日々は、ターゲット層の多くが抱えるリアルな感情でもあった。

「バリバリ働いて残業もするけど、メリハリつけるリア充な女子に、ちょっとでもオンタイムを楽しんでもらいたい。

『ドロリッチ』があるから、“仕事中、もっとがんばろうって思える”、“ちょっと幸せ、前向きな気持ちになれる”――そんな存在になって欲しいです」という言葉に、商品への想いの強さが垣間見える。

商品は完成して発売されたが、これからは消費者や市場に評価されることへの「期待や不安」が、新たなプレッシャーにもなっている様子。

一方、そんな柳澤さんの表情を見ながら、「10年がんばってきた商品がなくなるんですから、僕はもうさみしいだけ」と、笑いながらしょんぼりしてみせる有馬さんは、しっかりとバトンを引き継げた達成感と信頼に満ちているようだ。

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(取材・文/Sirabee編集部

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