スペインで120人の食い逃げ団 リーダーの男がついに逮捕
2017/03/10 10:00
食い逃げ、すなわち無銭飲食はもちろん犯罪。
だが、この世の中にはそんな食い逃げに体を張る者もいるようだ。窃盗団や犯罪シンジケート、マフィアといった集団がある中、「食い逃げ団」という組織もどうやら存在するらしい。
それは一体、どういうものなのか?
■大人数で食い散らかす
スペイン北西部の都市ベンビブレのレストランで、事件は起こった。
その日、120人もの団体客がその店を貸し切っていたという。客側はまず、店に900ユーロ(約11万円)のデポジットを支払った上でパーティーを開始したそうだが、何かがおかしい。そもそも、予約分の人数より実数のほうが遥かに多い。
どこか異様な集団はひたすら飲み食いし、ダンスまで踊って思う存分楽しむと、突然店から逃走し出した。
何しろ120人である。ちょっとしたデモ活動のような数字だ。店側は為す術もなく、2,000ユーロ(約24万円)相当の食事を食い荒らされてしまった。デポジットの分を差し引いても、かなりの損害である。
じつはこうしたことは、この地域で立て続いた。別の町のレストランでは1,000ユーロ(約12万円)のデポジットに対し、1万ユーロ分(約120万円)もの勘定が踏み倒されたそうだ。やはり、同様の手口である。
■リーダーは愉快犯か?
そんな中、現地警察はひとりのルーマニア人を逮捕した。48歳のこの男が、世を騒がせた食い逃げ団のリーダーだという。
なぜこんな壮大な食い逃げを実行したのかは不明だが、非常に手の込んだやり口でもあった。怪しまれないために、わざわざ高級車に乗り付けて店を訪れていた。食い逃げとは自分自身の懐には1ユーロも入ってこない犯罪だから、わざわざそれをやるというのは愉快犯なのだろうか。
いずれにせよ、怒りを通して呆れ返ってしまう騒動である。
■無銭飲食は「詐欺罪」
もしこれと同じことを日本でやった場合、刑法では詐欺罪に問われる可能性が高い。
無銭飲食という行為に適用する罪状は、じつは窃盗罪ではない。もし逃走の際、店員に暴力を振るっていればそれは強盗罪になるし、そもそも店側を騙しているのだからやはり詐欺罪に該当する。
古典落語に『時そば』というものがある。これは現在時刻を利用してそばの代金をごまかす内容だが、これも「店を騙した」のだから詐欺罪だ。要するに無銭飲食は、この位置づけである。
そして当然のことだが、このニュースに触発されて真似をしてはいけない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
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