【おんな城主直虎】46歳の阿部サダヲが13歳の家康に 大河でよくある「中年っ子」の例

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(画像はNHK公式サイトのスクリーンショット)

大河ドラマでは、大人が子供の役を演じることがよくある。

今年の大河ドラマ『おんな城主直虎』でも、46歳の阿部サダヲが数え13歳の頃の徳川家康になっていた。

四十路も半ばを過ぎた役者がティーンエイジャーを演じる。字面で書けば無理があるが、作中の家康を「ぽっちゃり体型のぼんやりとした冴えない人物」にすることで見事に中和している。

考えてみれば、大河ドラマにおいて「中年が少年を演じる」例は決して少なくない。


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①真田丸

去年の作品『真田丸』は、あまり子役を活用しなかった。

たとえば主役の真田信繁は、一貫して堺雅人が務め上げた。堺はドラマ放送開始時点で42歳。だが放映第1回の信繁は、まだ10代半ばだった。武田氏の滅亡は、信繁の少年期に起こった出来事である。

もちろんそれは、真田信之を演じた大泉洋にも当てはまる。堺と大泉は同い年で、学年も一緒だ。役者とキャラクターの年齢差に違和感を感じた視聴者も、もしかしたらいたのではないか。

だがキャラクターの成長を経るにつれ、それぞれの俳優としての個性が徐々に発揮されるようになった。「加齢」というものをどう表現するかも、子役を使わない作品の見どころなのだ。

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②秀吉

1996年放映の『秀吉』は、大河史上最大級の人気を博した作品である。

振り返ってみれば、この作品の主人公である豊臣秀吉は少年時代から一貫して竹中直人(初回放映時39歳)が演じた。『秀吉』の場合は、当初は貧農の息子として泥まみれの生活を送っていた日吉が織田信長に仕え、出世していくうちに身なりがだんだんと良くなる視覚的効果があった。少年期と関白になった時の竹中のビジュアルを比較すると、まるで別人のようだ。

この作品で竹中は、「貧しいが太陽のように空を駆け上っていく青年」と「頂点を極めた先の斜陽」をひとりで見事に演じ切った。


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③おんな太閤記

1981年の作品『おんな太閤記』の主演は、佐久間良子だった。秀吉の正室・北政所(高台院、ねね)を演じたのだが、初回放映時の佐久間は41歳。そして第1回放映分の『おんな太閤記』は、1560年の桶狭間の戦いが繰り広げられていた。

この時の北政所の年齢は諸説あるものの、やはり10代半ばだったらしい。この例も上で紹介した作品同様、役者とキャラクターの年齢差がかなり激しい。だがそれでも作品として成立する理由は、「当時の10代は大人だった」側面があるからだろう。

男子は数え15歳ごろ、つまり中学生の年頃で元服を迎えるのが習わしだった。女子に至っては、他家へ嫁いでいてもおかしくはない年齢。戦国時代のティーンエイジャーは、いつまでも子供のままでいることを許されなかったのだ。

こうしたことが、大河ドラマというものに独特のエッセンスを持たせている。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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