意味をよく考えると候補が何人も出てくる「元兄嫁」の違和感
2017/02/12 17:00
最近自分がバツイチであることをすっかり忘れ、「結婚てどうしたらできるのだろう」と眠れない夜を過ごしている俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
結婚生活自体は、悪夢のようでしたが「あ、1回したことある」と、思い出すとグッスリ寝れます。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■カジュアルな「元○○」が気になる
離婚率の増加にともないすっかり定着してきた「元嫁」「元旦那」の表現。
「元カレ」「元カノ」の呼び方の普及も手伝い、「先妻」よりも、カジュアルな印象を受けます。
そうした「元○○」が多く登場する、主婦向けコンテンツを読み解く中で非常に難解な表現をみつけました。
「元兄嫁」
この人物は、いったいだれなんでしょうか?
一般的に展開すれば「兄の嫁であった人物」。つまり、実兄の元配偶者になりますが、本当にそうだと言い切れるでしょうか?
■兄であった人物とはだれか?
なぜなら「元兄嫁」は、「兄であった人物の嫁」とも、受けとることが出来るからです。「兄であった人物」として考えられる可能性はふたつ。
1人目は、「実姉の夫」つまり義理の兄。他人であった人物が、一時的に姉との結婚により兄になり、また他人に戻った為「元兄」。
さらに「元兄嫁」はその嫁となるので、「元兄」なる人物の新しい配偶者である全くの他人のことを「元兄嫁」と呼んでいる可能性すら出てきます。
「兄であった人物」の、もうひとつの可能性。それは、性転換です。
男性だった兄が、現在は性転換を経て女性になっている場合も「現姉」、転じて「元兄」と呼ぶ可能性が出てきます。
そうなった場合「元兄嫁」は、兄だった人物の元配偶者、きっと性転換を期に離婚されたのであろう女性を指しているのではないでしょうか?
もしくは兄だった人物が現在同性結婚をしている女性のことでしょうか?
非常に複雑な人間関係ですが、性の多様性を受け入れる現代社会では、ありえないケースだとは言い切れないでしょう。
謎が謎を呼ぶ「元兄嫁」、身近にこういった呼び方をされている人物がいた場合、ほんとうに自分が思っている通りの人物なのか少し疑ってみる必要がありそうです。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)
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