人力車夫が世界一周!?前代未聞のプロジェクトが只今進行中

(Type100/iStock/Thinkstock)
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フェルディナント・マゼランの船隊が世界一周を成し遂げたのは、今から約500年前。

現代では、交通機関の発達により世界一周が手軽なものになった。だがそれと同時に、「脚力を生かした旅」が脚光を浴びるようになっている。

極力飛行機を使わず、13世紀の宣教師ジョバンニ・ダ・モンテコルヴィーノのごとく2本の足のみで道を進む旅だ。

こうした大冒険に魅せられ、自ら実行してしまう者はいつの時代にも存在する。


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■人力車を牽きながら

2016年9月、人力車夫の鈴木悠司氏を筆頭にした3名が世界一周旅行に出た。

この3名は、人力車を牽きながら各国を周遊するという。日本から出発し、現在は中国を経由して香港に到達している。

鈴木氏は去年、クラウドファンディングサイト『Makuake』においてプロジェクト達成に必要な資金を受け付けていた。その際の目標金額は200万円だったが、無事にノルマをクリアしている。

人力車で世界一周という企画は、当然ながら前代未聞。しかも鈴木氏ら3名は、日本の文化を伝えるために半纏と足袋を身につけて走っているのだ。

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■和洋折衷の結晶

人力車は、日本の事情に合わせて特化した乗り物である。

たとえば19世紀末のイギリスを舞台にしたドラマや映画を観ると、必ずと言っていいほど馬車が登場。当時のロンドン市内のタクシーは、当然ながら馬車だった。


だが17世紀以降まったくと言っていいほど戦争がなかった日本では、乗用の馬の飼育はあまり行われなかった。明治初期の日本を旅した作家イザベラ・バードも、日本の馬は乗用に適さないと言い切っている。

ならば人間に車を牽かせようと人力車が登場。これは日本人が完全な西洋化を選ばず、和と洋の長所をミックスさせた結果だ。これから東京オリンピックを迎えるにあたり、海外の市民に広く紹介するべき日本の伝統文化でもある。


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■治安上の心配

ただし、鈴木氏らの挑戦には懸念材料も。

それは「防犯対策」だ。旅人にとってはかなり深刻な問題で、目の前にいるのが日本人と知るや、作り笑顔で近づいてくる不審者もまだまだ存在する。

だからこそ、このプロジェクトでは「ひとり旅」を選ばなかったのだろう。それは非常に懸命な判断だ。今後も、ぜひ気を引き締めながらプロジェクトに臨んでいただきたい。

こうした取り組みは、やはり巷を明るくさせるもの。各国市民にとっては日本の文化を学ぶための大きなきっかけにもなる。このプロジェクトが見事達成されることを、ただただ祈るばかりだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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