徳川埋蔵金いよいよ放送 どう考えても「あるとしか言えない」ワケ

(Ingram Publishing/Thinkstotk)
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12月21日、TBSで徳川埋蔵金発掘の番組が放映される。

徳川埋蔵金といえば、かつて重機を何台も投入して赤城山麓の地面を掘り進めたこともある。その最中に人工の穴の跡が見つかったが、ついに埋蔵金発見には至らなかった。

この「人工の穴」とは、かつてそこでまったく同じ目的の発掘事業が行われていた名残だ。

やはり、埋蔵金伝説はただの幻なのか。


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■権力者と隠し財産

そもそも、なぜ権力者は財源の一部を「埋蔵金」にするのだろうか?

それは「最悪の事態」を考えてのことである。

治安が不安定な国の首脳が、いざ政権を奪われた時のために自分の資産をスイスやルクセンブルクなどの銀行にシフトする。要はそれと同じだ。まとまった元手さえあれば、家族を連れて海外に亡命できる。

常に失脚と隣り合わせだった戦国大名が、埋蔵金を用意していないということはむしろ考えられない。権力者のいるところに隠し財産がある。世の常と言ってもいいだろう。

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■家康の蓄財ぶり

では、徳川幕府の場合はどうか?

徳川家康は、度を超えたケチとして有名だった。ちり紙1枚なくなると機嫌が悪くなり、なかなか服を新調しない。その上、つぎはぎだらけの羽織を着た者を褒め称えるということまでしている。

それはすべて、「最悪の事態」に備えてのこと。蓄財に励む者こそが天下を制するという原理を、家康は早い段階で習得していた。そのような男が、徳川幕府の財源を各所にシフトしないわけがない。

当時はオンラインシステムなどないから、財源は金塊という形でどこかの蔵に眠らせていた。だがその蔵がたった1ヶ所しかなかったということはまずない。反乱勢力にその蔵を制圧されたら、それだけで幕府は滅亡する。そうならないよう、「預金口座」はいくつも所有しなければならなかった。


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■帰雲城の伝説

徳川埋蔵金が赤城山麓にあるか否かは別として、少なくとも隠し財産のひとつくらいはどこかに存在すると考えるのが自然である。

ただ、家康の頃に埋めた金銀財宝の話が後世に正しく伝わっていたのかは別問題。このテの話を文書として残すはずはないし、口伝という形で代々受け継いだら内容自体が変形してしまう。それが埋蔵金調査を難しくしている一因でもあるのだ。

だが徳川埋蔵金に限定しなければ、「ここには絶対に財宝があるだろう」と言われている場所がある。

それは岐阜県大野郡白川村。世界遺産に指定されている合掌造り集落の近くにある帰雲城跡地だ。

16世紀、帰雲城は内ヶ島氏の居城だった。この内ヶ島氏は高度な鉱山採掘技術を有し、実際に金鉱山をいくつか所有。帰雲城には莫大な量の金があったという。

ところが、1586年の天正地震で帰雲城は土砂崩れに巻き込まれ、完全に埋没する。内ヶ島一族はことごとく命を落とし、同時に城が抱えていたはずの金も土中に閉じ込められたという。

この帰雲城は正確な位置が特定されておらず、しかも付近に国道が通っているため発掘は不可能だ。だが内ヶ島一族の繁栄を支えた金塊は、今も数百年ぶりの日の光を待ち望んでいるかもしれない。

埋蔵金発掘は、まさにロマンの結晶である。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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