忘年会シーズンに注意 居酒屋客引きの「ぼったくり問題」
2016/12/13 16:30
いよいよ忘年会シーズン本番。普段はあまり飲み会へ参加しない人たちも、「忘年会くらいは…」と、なることも多いのではないだろうか。
「行きつけの店が多くある」「かなり土地勘のある繁華街」ということであれば、さほど心配することもないのだろうが、厄介なのはあまり知らない飲み屋街で、その場の流れで「二次会に行くぞ!」となった場合の店探し。
かつては客引きというと、風俗店だけというイメージだったが、近年は繁華街などで居酒屋の目立つようになってきた。
そうした中には、路上で声をかけられて事前に合意していた内容と、店舗での対応が異なるなどの事案が少なからず発生していることから、所轄警察署などが注意喚起を行うケースも増えている。
■被害は男性のほうが…
しらべぇ編集部が全国の20代以上の男女1,378人に、「居酒屋の客引きにあってぼったくられたことがあるか?」を調査したところ、「ある」と回答したのは全体の10%。
男女別では女性が6.9%だったのに対して、男性は13.1%とダブルスコアに近い結果となった。実際に被害に遭った人のコメントを見てみると…
「食べ飲み放題で3,000円って言われたから入ったのに、つきだしがたかい…」(20代・女性)
「2000円ポッキリの飲み放題が、実は料理の金額次第という条件つきだった」(30代・男性)
定額の飲み放題と言っておきながら、条件が異なった場合や
「チャージ料なしといわれたが、実際にいってみたら人数が多くて必要だといわれた」(40代・女性)
「高いチャージ料がかかった」(30代・男性)
予定外に、チャージ料を払うことになったケースが目立った。
■なぜ引っかかってしまうのか?
都心の繁華街ではアナウンスや看板といった、数々の注意喚起がなされているにもかかわらず、どうしてこうしたトラブルがなくならないのだろうか?
『歌舞伎町はなぜ<ぼったくり>がなくならないのか 』(イースト・プレス)の著書がある、首都大学東京都市環境学部特任助教・武岡暢先生はこう語る。
「多くの注意喚起がされているからこそ、そんな状態にもかかわらず声をかけてくる客引きに対して、“後ろ暗いことがない人”“許可を受けている、大丈夫な人なんだろう”といった、錯覚が起きている可能性があるかもしれませんね。
社会心理学で『傍観者効果』として知られている現象があります。かつてニューヨークで起きた事件で、多くの人が周囲にいる中で襲われた女性が助けを求めたにもかかわらず、誰も警察に通報したり、助けたりせず、彼女は死亡してしまいました。この事件のように大勢の人の中にいる場合、人は率先して行動を起こさない傾向があると考えられています。
状況は異なりますが、たくさんの人がいて注意喚起がされているからこそ、その呼びかけがある種の傍観者効果を生み出し、“大丈夫だろう”と感じさせるのかもしれません」
どうすれば、被害に遭わずに済むのだろうか?
「声をかけてくる人が100%悪質な人とは限りませんが、悪質でない可能性を追求するのは得策ではないでしょうね。一番良いのは、言うまでもないことですが、路上でお店を決めるのではなくて事前に予約すること。
ただ有名店の場合は、店舗の前で『ダブルブッキングしてしまったので、系列の店舗にご案内します』などと、有名店とは無関係なぼったくりの客引きが声をかけてくる、悪質な事案もあるようなので、不審に思ったら予約してあった店に確認しましょう」
どんなに注意をして条件を確認しても、悪意を持って対応してくる相手かもしれない。感じよく話しかけられたとしても、関わらないようにしたほうが無難といえそうだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年10月21日~2016年10月24日
対象:全国20代~60代の男女有職者1,378名(有効回答数)
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