AV女優の人権を守るために一般からの支援を AVAN代表・川奈まり子氏に聞いた
AV女優の人権を守る団体を立ち上げた川奈まり子氏がクラウドファンディングを開始。現状について聞いた。
■AV業界の反応は?
川奈:業界の反応は、まちまちです。大手メーカーの役員クラスの人たちは、関心は当然高いし、設立当初からAVANを応援してくださっています。ではそれらメーカーの社員さんたちはどうかというと、日々の業務に追われていて、AVANが何かもよく知らなかったりします。
残念ながら、「なんか騒いでるよね」という程度の人も、今でも大勢いるのでは……。出演者や監督、ADさんたちやカメラマン、メイクさんにしても同様で、とくにニュースなどをよく見ている人たちは、AVANを応援したり参加したりしてくださるけれど、そうでない人たちもいまだに多いし、誤解もあります。
「参加すると、メーカーに睨まれて仕事が減るんじゃないか」とか、「うんと金を取られるんだろう」とか誤解されてもいるようで。誤解している人に会う機会があって直接説明すると、すぐに納得して、応援してくださるようになるんですが、まだまだ、隅々までは理解が届いていないと感じることがあります。
「利権団体なんじゃないか」とか。出演者の人からそんなことを言われると、ちょっと切ないですね。AV実演家からは来年の3月末まで会費を徴収しませんし、4月以降も年会費2400円、登録料600円で、他に費用はかかりません。会費は安く、メリットは大きくというのが理想です。
AVANは、同人AVの監督さんやフリーの女優さんも、会員登録していただけるんですけど、そういうこともまだよく知られていません。プロダクションからは、女優に対してメリットを提示しづらいという苦情も受けていますが、まだ準備段階で、サービスを提供できないから無料にしているわけなので、そこはご理解いただきたいところです。
団体として人数がまとまらなければ、医療機関や保険などの分野では提携が進まず、よけいにメリットを生むことが難しくなってしまいます。今はタダなので、とりあえず会員になって、積極的に「こんなサービスがあったらいい」といった要望を寄せてください、と、お願いしているところです。
現時点ではファンも業界もこぞって応援してくれているという状況ではないのですが、時間が経つにつれてじわじわと理解が進むはずだと確信しています。認知度を上げる努力、活動内容を外部に知らせる努力や工夫をしていけば、必ずや良いほうへ変化していくと思います。
■AVAN会員の現役女優・男優の声
すでに会員登録を済ませた現役女優・男優にも話を聞いてみた。
「安心してAVのお仕事をしていきたいなと思いAVANに登録しました。一緒に活動していけたら嬉しいです」女優・マルチパフォーマー 若林美保
「モザイクの向こう側に行きたいと男優に応募してからあっという間に17年が経ちました。その間ずっとAV業界を内側から見ることになったのですが、中では色々な変化があり、それらに伴い僕たちの意識も変化していきました。
でもどうやらその変化は外側からは見えづらく、意識自体が甘いものでした。AV業界が生き残っていくには、今のままではいられないと危機感を持っています。AVが社会の一部として存続していくために、皆さまのお声と御支援が必要です。どうか僕たちにお力を貸してください」AV男優 森林原人
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)