AV女優の人権を守るために一般からの支援を AVAN代表・川奈まり子氏に聞いた

AV女優の人権を守る団体を立ち上げた川奈まり子氏がクラウドファンディングを開始。現状について聞いた。

川奈まり子

AV女優の「出演強要被害」が社会的に注目されたことを受けて、元・女優で作家の川奈まり子氏が立ち上げた一般社団法人「表現者ネットワーク(AVAN)」。

AV出演者(実演家)の立場に寄り添って、その人権を守り、引退後の人生などをサポートすることもめざしている。

すでに会員登録する女優・男優が増えつつあるが、さらにAV業界外の「一般サポーター」の募集を開始。また、クラウドファンディングも始まった。

現在の活動とクラウドファンディングの目的などについて、川奈氏に話を聞いた。


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■アダルトエキスポ(JAE)にも出展した?

川奈:2日間の開催期間中に80人以上の方が一般サポーターに登録してくださいました。立ち寄っていかれた方は、何百人にものぼります。JAEで出展するためにチラシを500枚作ったんですが、1枚も残らずはけてしまいました。


当初は、「楽しいAVのお祭りにシリアスな問題に取り組んでいるAVANのブースなんて場違いだし、誰も足を止めてくださらなくても不思議じゃない、けむたがられるだけなんじゃないか」と予想してたんですよ。


ところが蓋を開けてみたら、「頑張ってください」「期待してます」「応援してます」という言ってくださる方が、本当に多かった。あと、「日本のAVを良くしてください」「安心してAVを見れるようにしてください」という声も少なくありませんでした。


AV出演強要被害の問題に胸を痛めているAVファンが大勢いるんですね。また、労働問題としてAVの問題を捉えている人も複数いらっしゃって、私たちと熱心にお話ししていかれました。


AV出演者が不本意な出演を強いられたり、満足な報酬を得られなかったりというのは、他の業種の個人事業主の労働搾取や低賃金、契約した企業での権利の認められなさと通じる、同じ種類の労働問題でもあるんです。


同業者が、契約した企業の枠を超えて独自にネットワークを構築し、団体を形成して、企業や社会に対して声をあげていく、それによって正当な権利を勝ち得ていくという、バランサーとしてのユニオンは、AV業界に限らず、今、求められていると思いますよ。企業の間で翻弄されて、声をあげることが出来ず、大人しく毛をむしられているしかない状況は、他の業界にもまま見られることでしょう?


女性の来場者も何人もAVANのブースに立ち寄られて、一般サポーターになってくださいました。JAEには、女性のAVファンも、けっこういらっしゃってたんですよ。韓国や台湾から来た海外のAVファンとも交流しました。海外でもAV出演強要被害の問題は報道されていて、驚いたことには、私のことも知ってくださっているんですね。

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■なぜクラウドファンディングを活用?

川奈:AVANは非営利団体で、会費の徴収を開始する来春までは、運営資金を寄付でまかなっています。
ホームページを介して常に寄付を募ってきましたが、まだまだ認知度が低い。そこで、人気のあるREADYFORさんのクラウドファウンディングなら幅広く注目を集めることができるのではないかと思いました。


READYFORは人権や福祉に関わるチャレンジをよく扱っていて、社会問題に関心がある人々に対して存在をアピールできるのではないかという期待もあります。「AV出演強要被害問題」の、AV出演の当事者側から見た、これまで報道されてきたものとは違う側面を、広く皆さんに知っていただくチャンスでもあると考えたんです。


もちろん、今現在、実際にお金に困っているからという切実な理由もあるわけですけど、もしも支援額がゴールに到達できるほど集められなくても、挑戦する価値はあるんじゃないかな、と。

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