特急が来ない…台風による運休長期化で北海道・釧路駅がゴーストタウンに
2016/11/03 18:00
北海道各地に大きな被害をもたらした台風10号の影響で、8月30日から東鹿越駅(南富良野町)~芽室(芽室町)間の不通が続くJR北海道・根室線。特急列車も同日から運休したままになっている。
札幌駅との間を結ぶ特急「スーパーおおぞら」上下12本の起終点・釧路駅(釧路市)では乗降客の激減が見られ、影響がじわじわと広がっているようだ。
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■需要が高まる冬は目の前
釧路市は、帯広市と並ぶ北海道南東部の拠点都市。札幌への交通機関はJRのほか所要時間が「スーパーおおぞら」の4時間に対し45分の飛行機や、所要時間はかかるが運賃は安い都市間バスの便もある。
しかし飛行機や都市間バスは天候の影響を受けやすく、とりわけ冬場は安定して運行する「スーパーおおぞら」の需要が相対的に高まる。運休で秋の観光シーズンをふいにした観光業界への打撃に加え、間近に迫る冬場の行き来が不安定になりかねない事態は、一般市民を巻き込んで問題を大きくしそうな気配だ。
■閑古鳥鳴く釧路駅
10月下旬の平日11時過ぎ、釧路駅を訪れてみたところ構内には人の気配がほとんどなかった。
本来なら、札幌から一番の「スーパーおおぞら1号」で到着した人と出迎えの人や、市内のホテルをチェックした後に海鮮丼などの廉売で知られる和商市場などでの食べ歩きや買い物を楽しんでから札幌行きの「同4号」に乗る観光客が行き交い、にぎわうタイミングのはずである。
同じく、「みどりの窓口」にも人影がない。背面の壁にかかる空席表は全便「運休」の表示になっていた。「スーパーおおぞら」が来ない同駅は、1両で運行されるローカル列車と特急代行の臨時快速がわずかに発着するのみだ。
駅ビル内に商店が並ぶ一角も同様で、いつもは混み合うベーカリーカフェでは簡単に座席を見つけることができた。釧路名物・鶏肉のザンギ(唐揚げ)が入る弁当などを売る総菜店も「お客さんの数? もうぜんぜんだめ。大損害」と渋い顔を見せた。
JR北海道は、不通区間の解消で特急列車の運行を再開する時期を「年内」(同社)としている。
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(取材・文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
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