どっちが正しい?ヘッドライトの上下 「ハイビーム」を明文化へ
2016/10/25 11:00
■ハイビームは「走行用前照灯」
一般的には、上下の向きによって「ハイビーム」「ロービーム」という呼び方が定着しているクルマのヘッドライト。国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」などでは、ハイビームを「走行用前照灯」、ロービームを「すれ違い用前照灯」と、それぞれ呼び分ける。
すなわちヘッドライトは、ハイビームが本来の向き。ロービームは、ハイビームから切り替えて使うことが求められ、あくまで補助的な位置づけだ。
道路交通法では、以上のように定めている。
しかし「交通の教則」では、「対向車がある場合は下向きに」「見通しが悪い場合は上向きに」といった記述があるものの、本来の向きがどちらになるかを明記してこなかった。
教則の改正で来年3月からは、ハイビームを本来の向きとして義務付ける。
■「自動化」への期待も
とはいえ実際には、対向車や先行車への配慮からハイビームを堂々と使うのははばかられる。使うにしても、こまめな上下の切り替えが必要で面倒だ。
そこで開発が進んでいるのが、対向車や先行車を感知して自動で上下を切り替える機能や、ハイビームが照射する範囲を細かく制御する機能。 例えば「アウディA8」が搭載する「マトリックスLEDヘッドライト」は多数の独立したLED電球を備え、電子制御で対向車や先行車に直接当たる電球のみをロービームに切り替える。
ヘッドライトでは、周囲の明るさを感知して自動点灯する機能も広く普及し、2020年には新車への搭載を義務付ける。これに併せて今後は、上下の切り替えでも自動化が進むかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)
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