【衝撃映像】手作り潜水艦で麻薬を密輸するコロンビアの麻薬カルテル
現代の麻薬カルテルがドラッグの運搬に使用しているのは“潜水艦”そして“魚雷”。
VICE JapanがYouTubeにアップロードした、コロンビアの麻薬密輸に関する最新映像が話題になっている。
■麻薬密輸に使われる“半潜水艦”
ドラッグを運搬する潜水艦について語ってくれるのは、コロンビアの麻薬密輸を取り締まる太平洋沿岸警備隊の指揮官マリオ・ロドリゲスさん。
1990年代ごろからコロンビアの麻薬カルテルが使用している潜水艦は“半潜水艦”と呼ばれており、完全には潜航せず、船体の4分の1程度が常に水面から出ている。
そのため通常の船舶より隠蔽率が高く、かつ安価に大量のドラッグを運搬できるため、現在では多くの麻薬カルテルがこの方式を採用している。
木製のフレームをグラスファイバーで覆っただけのシンプルな構造だが、積荷を載せた状態で8日から2週間、距離にして約4800~5600キロは航行可能。コカインなどのドラッグを運ぶのに十分な燃料を搭載可能だという。
■ドラッグ運搬の歴史はいたちごっこ
歴史を遡れば、コロンビアのドラッグ運搬の歴史は常に当局とのいたちごっこだったという。
コロンビア最大の麻薬密売組織「メデジン・カルテル」の創設者パブロ・エスコバルの全盛期は、飛行機を使ってドラッグを運ぶ方法が主流だった。
しかし、次第に取り締まりが厳しくなったため、空からドラッグを投下する方法に切り替えたものの、事故が多発し死者も続出した。
やがて運搬にスピードボートを使用するようになったが、その内の半数は沈没してしまい、コインの裏表を賭けるような状態に。
そして1993年になり、カリブ海沿岸で初めて、麻薬カルテルの使用する半潜水艦が発見されたのだ。
■魚雷にドラッグを詰めて運搬
上記のように、ドラッグの運搬方法は日々変化している。コロンビアの麻薬カルテルは半潜水艦に続いて“魚雷”にドラッグを詰めて運ぶという方法を考案。
魚雷型装置を漁船で引っ張るというもので、たとえ運搬途中で摘発されても魚雷を切り離し、別の漁船で積み荷を回収することが可能。
こちらも進化が著しく、いずれは遠隔操作による密輸の完全自動化も目標にしているという。
■ドラッグ問題は経済戦争
カリ・カルテルの元メンバー、ミゲル・アンヘル・モントーヤさん曰く、麻薬カルテルの世界は「全ては裏切りとウソ、騙し合いの世界」。
しかし、麻薬密売と戦うことに関しては「法を冒しても(大金目当てに)喜んでやる連中がこの世界にはたくさんいる。誰もが安い値段で合法に麻薬を買える日が来れば、戦いは終わるだろう。結局、これは経済戦争だ」という独自の見解を述べている。
常に当局の先を行き、隙あらば体制に打撃を与えようとするコロンビアの麻薬カルテル。果たしてこの戦いが終わる日は来るのだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・びやじま)
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