「ざざむし」ってどんな虫?調べてみると意外な事実が発覚
2016/09/15 19:00
子役のころ、『世界ウルルン滞在記』で行ったインドネシアのジャングルで、たいていの虫は食べた俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
蜘蛛だけは栄養価が高いのか、危ないのか、見つけるとすぐ現地のお父さんが食べてしまったので食べることができませんでした。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
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■ざざむしについて調べてみました
今月出演する舞台のセリフの中に「ざざむし」が出てくるので「一体どんな虫だろう?」と、調べてみたところ衝撃の事実が発覚しました。
なんと「ざざむし」は存在しない虫だったのです。
信州地方の珍味として有名な「ざざむし」。これはある一種の虫を指した名称ではなく、長野県伊那市など天竜川上流域の、さらに限定された一部地域清流に住む、カワゲラやトビケラなど水生昆虫の幼虫を食用にするときの呼び方、だそうです。
語源も「ざーざーしたところにいる虫」から来ているそうで、川の中の石をひっくり返して出てきたところを網のなかにつかまえたら、どんな虫でも大体「ざざむし」になります。
ほとんどは、トビケラの仲間の幼虫です。
まれにヘビトンボの幼虫や、カメムシの仲間であるナベブタムシ、映画「エイリアン」に出てきたフェイスハガーのような見た目をしたヒラタドロムシなどがしらす干しのなかの蟹みたいに混ざっており、これも立派な「ざざむし」なのです。
■「しらす」も存在しない魚
しらす干しの「しらす」も体に色素がなく白い稚魚の総称であり、特定の魚を指す呼称ではありません。
ほかに「にぼし」や「めざし」も、イワシやアジなどを加工した方法によって決まる呼称であり、そんな名前の魚は存在しないので、図鑑や水族館で探してしまわないようご注意ください。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)
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