インドネシア高速鉄道の展示ブースも 国営企業展示会を取材

2016/09/13 05:30

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先日、インドネシアの首都ジャカルタで『インドネシア・ビジネス&デベロップメントエキスポ』(以下IBD)が開催された。

これは国営企業によるブース展示企画だが、我々の目から見ても非常に興味深いものであった。

じつはインドネシアは日本以上に国営企業が多い。たとえば、ここのところ国際的な高評価を得ているガルーダ・インドネシア航空も国営。「官製企業は運営効率が悪い」と言われているが、インドネシアに関してはクオリティーの高いサービスを提供する企業もたくさんある。

しかもその業種は、まさに百花繚乱だ。


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■「ビジネス関係者」が多く押し寄せる

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会場は「ジャカルタの幕張メッセ」とも言うべきジャカルタ・コンベンションセンター。しらべぇ取材班が出向いたその日は土曜日だったため、多くの市民が会場に駆けつけていた。

このIBD、規定では「事前登録のビジネス関係者と見学授業の学生のみ入場可能」。だが実際は、単に物見遊山の市民が入場受付の前に列を作っていた。主催者側もそれを分かっているから、とりあえず入場許可申請書だけ書いてもらい、入場パスを渡していた。

だいぶおおらかではあるが、展示内容は力がこもっている。

まず今年のIBDの目玉は、中国企業との合弁で建設される高速鉄道のブース。参加企業の中で、高速鉄道事業を手掛ける『インドネシア中国高速鉄道社』(以下KCIC)の専有面積が最も広かった。

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そのスペースに長大な高速鉄道車両の模型を置き、脇に赤い制服を着たコンパニオンが立つ。来場者の関心度も高く、見学の小中学生が展示模型の写真撮影に勤しんでいた。

日本でも大きな話題になった、インドネシアの高速鉄道計画。当初は日本の新幹線導入が有力視されていたが、インドネシア政府は日本側の事前準備をなかったことにして中国案を選んだ。

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この高速鉄道事業に関する宣伝活動は好評を得ているものの、現時点での土地収用はまだ6割程度。KCICは2019年までの完成を掲げているが、そのスケジュールを危ぶむ声も少なくない。

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■軍用銃のセールスも

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だがいずれにせよ、KCICは今も強気な態度を示しているようだ。だからこそ、此度のIBDで最も広い展示スペースを確保したのだろう。すでに高速鉄道グッズも販売されている。

インドネシアの国営企業の特徴は、非常に野心的。ブースで製品案内をしている社員は、外国人が取材に来たと知るや一様に笑顔を見せて「ぜひ我が社の製品を撮影してください」と口にした。

その中のひとつ、国営兵器企業ピンダド社のブースが特に印象深いものだった。ここでは拳銃と自動小銃、そして大口径対物ライフルが展示されていた。もちろんこれらはすべて、インドネシア製である。

「東西の二大名銃」であるM16とカラシニコフが正規軍から退役しつつある今、ピンダド社は国際的シェア拡大を目論んでいる。それ以上に有望と見なされているのが、対物ライフル『SPR-2』。口径12.7mmのボルトアクション式で、装甲貫徹力も命中精度も他の同系統銃と遜色ないという。

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こうした対物ライフルは日本の自衛隊にまだ存在しないという話になった時、ピンダド社のスタッフはこう切り返した。

「ならば、この銃を自衛隊向けにPRしてください!」


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■成長するインドネシア

このように、インドネシアの国営企業は様々な分野で興味深い製品を発表している。

中には一瞬「?」がついてしまうものもあるが、この国が躍動的な経済成長を遂げていることには変わりない。

ASEANで一番の人口規模を誇る国として、これからの飛躍に国外からも期待がかかっている。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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Sirabee編集部

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