カウンセラーが分析「スタバ恐怖症はなぜ発症するのか」
2016/06/20 06:30
スターバックス。スタイリッシュで洗練された大手コーヒ系チェーン店で、季節ごとに発表される新商品も話題になる。
今や若い女性だけでなく、ビジネスマンや中高生にも広く愛されている……と思いきや、一方で「スタバには絶対に行かない!」と頑なにアンチスタイルを貫く人たちがいる。実際に行った経験がないにも関わらず、ということもあるようだ。
なぜスタバを忌み嫌うのか。「スタバ恐怖症」とも言える患者たちの心理を紐解くため、しらべぇ取材班は心理カウンセラーの先生に話を聞いてみた。
■スタバが持つ「意識高い系が集う場所」というイメージ
「スタバ恐怖症を分析する上で、まず『スターバックス』とはどんな存在なのかを考察する必要があります。そもそもスタバとはカフェ業界の流行最先端をいち早く取り入れているお店だと言えるでしょう。
ただコーヒーを飲みたいという欲求を満たすためであれば、自動販売機がどこにでもあるので、それを利用すればいいはずです。コンビニにだって売っています。それでもスタバに通うのはなぜでしょうか。
スタバを利用しようとする人の多くは、少なからず自分の魅力を演出するための舞台として使っていると考えられます。たとえば、テラス席でMacを使いこなして作業をすれば、仕事がデキるオーラを出している気分に浸れますよね。
他にはテイクアウトして、手に持ちながらモデルのように飲む人もいます。あれは憧れの人の真似をすることで、無意識に自分を高めたい欲求を満たしているんです。
このような意識高い人が集うイメージがスタバにはあるわけです。そして、これは良い悪いではなく、あくまで価値観の問題です」
■スタバのイメージを相容れぬ人たちも
「意識高い系に対して抵抗感のある人たちは、スタバを利用することで彼らと『同じように見られてしまうのではないか』と恥ずかしく思う気持ちが生まれているのだと感じます。
同時に彼らに対する軽蔑心もあり、それらが混ざり合って混沌とした心持ちになっています。それゆえに、その象徴であるスタバを嫌悪する気持ちが生まれてしまっているのです。
また集客率が高いために常に人が多く、パーソナルスペースが近すぎて居心地が悪くてゆっくりできないと感じる人もいるでしょう。
スタバではコーヒー容器にThank youと書く文化がありますが、そうした慣れない文化に触れることでも、やはり自分の居るべき場所じゃないという気持ちは強まるかと思います」
■どうすれば「スタバ恐怖症」に打ち克てる?
「行動をすることに限ります。頭で考えているうちは、いつまでもネガティブなイメージを打ち破ることはできません。一度、二度と通ってみることで、何だこんなものか、と勘違いしていたイメージを拭い去ることができるでしょう。
慣れていない文化と対峙すると、どうしても失敗しそうだな、それは嫌だな、という気持ちが生まれると思います。そうしたリスクを考えてしまうと、行動することはどんどんできなくなっていきます。
まずは経験してみることです。そうすることで慣れていき、世界が広がっていくものだと思います」
スターバックスに行かなければ死ぬということはない。だが、行ったからといって死ぬこともない。友達からスタバに誘われることもあるだろう。そんなとき、微妙な空気を作ってしまうのは、人間関係を構築する上で得策とは言えない。
自ら選択肢を少なくする必要もないだろう。スタバにアンチな感情を抱いている人は、まずはお店に通ってみるという手もある。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:心理カウンセラー園絵)
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