伝説の職人が『ドラえもん』『週刊文春』のポップ広告を描いたら…

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書店でなどで見かけるPOP(ポップ)広告。書籍を紹介する目的で、一般的には書店員が作っているものだが、なんとこのポップ作りだけをし続けている男がいる。男の名は、はりまりょう。3年で8500枚の作品を生み出したポップ職人である。

日に10本のポップを作り出し、月で言えば200枚が書店に並んでいるという。

「私の手にかかれば、どんなものでもうまくポップにしてみせますよ」


そう語る彼に、取材班は実際にポップを作ってもらうことにした。しかし、普通のものでは面白くないので、普段決して作らないであろう書籍を3冊紹介してもらった。


①誰でも知ってるあの名作『ドラえもん』

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「誰もが知っているドラえもんは、誇張表現が使いづらくって難しかったです。10枚ぐらい描き直して、このポップを完成させました。フレーズを考えるのに一週間はかかりましたね。


よく見てもらえばわかるんですが、デザイン自体をドラえもんっぽく仕上げています。未来からの使者のあたりは首輪をイメージ。ドラの文字の部分は鈴にしました。


初見の興味を煽るのがポップの基本です。これは知ってるだろうという先入観を消すのがなかなか手ごわかった。ただ、ドラえもんにはコアなファンがいることを想定しなければいけません。その辺りも、ドラえもんポップ広告の難しさでしたね」


■第2作:この世すべてを斬りまくる週刊誌『文春』

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「マンガ雑誌のポップ広告を作ってきた経験を活かすことができました。見所、面白さをあえて言うのは少々恥ずかしいのですが、タブーロイドの場所ですね。タブロイドのタブとタブーをひっかけてみたんです。


ダジャレや掛詞などの技術をポップでは用いています。こうすることで目で見た時に意味が強調されて意識に残るんですね。あとは色使いも気にしています。全体の色使いで眼を引く工夫を凝らしています。もちろんフォントも」


■第3作:ありとあらゆる日本語が集約されし書『広辞苑』

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「これが一番の難産でした。収録数と信頼という言葉は当たり前といえば当たり前過ぎて、逆に目を引かない。しかし、数字を並べるだけで説得力が高まりました。さすが最高峰の辞書ですよ。約24万という文字だけで圧倒されませんか。


この広辞苑ポップ広告には、ひとつコアなファンなら気付けるかもしれないお遊びが入っています。それは4行目と5行目です。広辞苑のメインキャッチコピーの辞書の一番最初の文字である『あ』と最後の文字である『んとす』を入れてるんです。


こんな風にネタバレにならない程度に、でもコアなユーザーをニヤリとさせられるような演出を狙うことはありますね」


何気なく見ているポップ広告だが、そこには書籍の魅力を引き出し、人の注目を集めるための技術の粋を極めた集大成だったのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:はりまりょう)

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Sirabee編集部

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