「歩きタバコ」と「歩きスマホ」 世間がより悪質だと思うのは…
2004年に東京都千代田区で初めて施行され、今や北海道から沖縄まで全国各地の自治体で制定されている「路上喫煙禁止条例」。違反者には罰金を課す地域も少なくない。
20世紀には当たり前の光景だった「歩きタバコ」は、このように法的にも認められないきわめて悪質な迷惑行為と変わった。
今、それに代わって問題となっているのが、スマートフォンの普及にともなって拡がる「歩きスマホ」。通信会社や鉄道会社によるマナー啓蒙の甲斐もなく、街中や駅構内でもよく見られる。
法規制に至った「歩きタバコ」と、違法ではないが危険な「歩きスマホ」、現代人はどちらのほうがたちが悪いと考えているのだろうか?
■全体では「歩きタバコのほうが悪質」だが…
しらべぇ編集部が全国の20〜60代男女1,365名にどちらが悪質かを調査したところ…
全体では2倍近くの差が開いて、条例でも規制が進む「歩きタバコのほうが悪い」という結果となった。しかし、「タバコに比べたら歩きスマホは問題ないのだ」とは考えないほうがいい。
■60代ではタバコ:スマホが拮抗
スマホが身近で喫煙率が低い若者と中高年では、大きな差が見られる。
20代では8割が「歩きタバコのほうが悪質」と考えているのに大して、60代ではほぼ拮抗。 路上喫煙という、すでに条例で規制が進む「絶対悪」と比較・検討して少なくない人が歩きスマホを選んだ事実は重い。
■法規制を避ける方法は…
昨年、小倉智昭キャスターが番組で「歩きスマホに罰金を課すべき」と発言して話題を呼んだ。シルバー民主主義という言葉があるが、現代日本では高齢者の意向に沿った政策が選ばれやすい。事故などちょっとしたきっかけで法規制が進む可能性は否定できない。
それを避ける唯一の方法は、スマホユーザー自身が「歩きながらは使わない」というマナーを、それがマナーである今のうちに徹底するしかないのだ。
・合わせて読みたい→小倉智昭が提案「歩きスマホ罰金案」公務員が反対の理由とは
(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年4月22日~2016年4月25日
対象:全国20代~60代男女1,365名(有効回答数)
・合わせて読みたい→歩きスマホで骨折被害も!「公共マナーを守れない人たち」5選