監禁された経験のある女性に聞いた「逃げられないジレンマ」
2016/03/30 05:00
誘拐され、2年も行方不明になっていた女子中学生が保護された事件が世間を騒がせている。少女は当時大学生だった男に拉致監禁されていた。
なぜ彼女は逃げ出すことができなかったのか。疑問に感じる人は多いかもしれないが、当事者でないとわからないこともある。
拉致監禁されてしまった人は一体どんな心理状況になってしまうのか。しらべぇ取材班は、過去に拉致監禁されてしまった経験のある女性に話を聞いた。
■なぜ拉致監禁されてしまったのか?
「相手は遠方に住んでいて、たまに電話やチャットをする仲だったの。ある年末に私が体を壊してしまってダウンしてたら、彼から電話があった。そして、今から行くって…。
心配してくれているし、無下にはできないと思って、いいよって言っちゃった。それで、彼は5時間かけて車で来たの。それで相手にうながされるままに車に乗ったら、そのまま彼の家まで連れて行かれちゃった」
■拉致監禁されているときはどんな気分なの?
「見知らぬ街に、着の身着のままで連れてこられたから、お金もなくって…どうしようって思った。そしたら彼が急にプロポーズしてきたの。でも断ったら、そこから監禁がはじまった。たしか3ヶ月ぐらいはされていた。
ずーっと監視されてた。あたしが思い通りにならない時は、ドライブに行こうって連れ出して、無理心中しそうな勢いで危険運転をするから、すっごく怖かった。
実際、逃げられる隙はあったけど、逃げたくても逃げられない。もし逃げきれなかったら、殺されちゃうかもって考えちゃって、逃げる勇気が出ないの。
相手を安心させて油断させるために言いなりになって、夜の相手も嫌がらずにした。優しくされている間は、もう怖い思いをしなくてよくなるから、抵抗する気をなくしていくの。でも逃げるためにどうすればいいかはずっと考えてた。
それでドライブに連れて行かれた時に周りの景色を覚えて、駅までの逃走経路を頭に叩き込んで、銀行でこっそりお金をおろして逃げたの」
監禁されているときは、ずっとパニック状態で、逃げる方法を考えるのも一苦労だったと彼女は語った。今回、誘拐から保護された少女も似たような心理で悩んでいたのだろうか。
(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ)
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