子育てに必要な場所……夏は海・冬は雪山【溜池ゴローの子育てコラム】
2016/03/23 19:00
ワシら家族は、息子が2歳の頃から10歳までの間、毎年夏になると八重山地方(石垣島、宮古島周辺)の離島へ10日間ほどの旅に出かけたということは以前書いた。
離島への冒険旅行の数々①〜きっかけは式根島〜【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】
そして冬はといえば、北海道のトマムという雪山の中にあるリゾート地で毎年過ごした。
最初は、息子が4歳の頃に「雪の中で遊ばせたい」と思い、どうせならワシら夫婦も行ったことのない北海道に2泊で行くことにしたことがキッカケだ。
■息子がスキーに興味を持った瞬間
スキーをしたことがないワシらだったが、雪の中で遊ぶわけなので、念のため家族3人分のスキーウエアを購入し出発。
2月だったので、最も寒い時期だ。氷点下15度~20度くらいと記憶している。雪に覆われた風景の中に初めて立ったときは、その寒さにワシら夫婦は心洗われる思いに。
4歳の息子は、初めての雪に案の定ハシャギまくり、ソリで滑りまくっていた。
息子が散々せがむので、雪の坂道で何度も何度もソリを運ばされ、息子を後ろから押してやったり、一緒にソリに乗り操縦してやったりして、そろそろ疲れたかなっと感じだした頃だった。
「スキーやってみたい」
息子が、突然言い出したのだ。
スキーやスノボをやっている人たちを遠巻きに見ているうちに、やってみたくなったらしい。
スキーをやる予定はなかったが、せっかくなので、ワシら夫婦もスキーをやってみることに。すぐにワシら3人は、家族でスキースクールに申し込み、スキーにチャレンジしだした。
ちなみに、ワシは大昔に2度ばかりやったことはあるのだが、「寒い」「高い」「速い」が苦手なワシにとって、スキーはハッキリ言って凄く怖いもので、もう一生やらなくても全然問題ないと思っていたくらいだ。妻においては生まれて初めてのスキーである。
ちょっとした坂道でも怖がり続ける大人のワシら夫婦と違い、息子は、小さな体で一生懸命滑ろうと、なんども転びながらも果敢に攻めていた……
■難易度の高いスキーコースにも挑戦
ということで、それから毎年、1週間くらいかけてトマムでスキーを行い、息子は、トマムリゾートのスクールで年々、腕を上げていき、中級コースくらいは滑れるようになった。
ワシら夫婦と言えば、いまだ中級コースに多少なりとも恐怖を感じている始末である(笑)。
昨年の正月にトマムに行ったときなどは、息子がワシにこう言った……
「お父さん、ドラゴンリッジっていう凄い面白いコースがあるから行こうよ!」
息子からこう誘われては父親として断るわけにはいかない。息子とふたりでゴンドラに乗り、そのコースに行った。
ゴンドラで頂上に上がって初めて知ったのだが……そのコースは、いつも下から見て「あんなコース滑ってる奴らはコワくないのか? ほんと気がしれんよ」と思っていた場所だったのである。
狭めの急な坂でうねった形がドラゴンのようだからその名がついたのだろう。ドラゴンリッジのわきは、急な崖のようになり、寒さで木には樹氷が……う、美しいのだが、頂上に立つと、あ、足がすくみそうである。
「お父さん、先に行ってるよ」
息子がそう言うと、ワシをおいてけぼりにして、完璧な滑りではないのですが、楽しそうにウネウネと滑っていった。チャレンジするのが、とても楽しいのだろう。
ワシもなんとか、必死になって数回転びながら滑り降りたのだが、下で待っていた息子がこう言った……
「父さん、途中で転んだけど、なかなか上手だったよ」
……息子になぐさめられる情けないオヤジである……トホホ。
今となって思うのだが、大人になって怖がるものを子供の怖くないうちにやらせておくのは大事だと思う。
海で泳ぐことも、雪の中でスキーをすることも、子供がまだ恐れを知らない間なら、ドンドンやって楽しませることができるのだ。
今回は、以上。
(文/溜池ゴロー)
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