春でお別れ「最長特急」大阪しなの、区間短縮で名古屋発着へ

大阪駅でしなの9号の発車表示

北海道新幹線の新函館開業などを目玉に3月26日、JR各社が一斉に実施するダイヤ改正で、昼間に走る特急のうち最も長い走行距離を誇ってきた列車が姿を消す。


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■愛称は「大阪しなの」

姿を消すのは、大阪と長野を結ぶ「しなの9号・16号」。名古屋・長野間を中央西線と篠ノ井線経由で走る特急「しなの」の上下26本のうち、東海道線経由で大阪まで顔を出していた2本1往復だ。

JR関係者や鉄道ファンの中には、名古屋発着便と区別して「大阪しなの」と呼ぶ人もあった。今回の改正以降は、「9号・16号」も名古屋発着に変わる。

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■400キロ・5時間のロングラン

姨捨駅付近
日本三大車窓のひとつ「姨捨駅」(長野県)付近を走る「しなの」

「大阪しなの」が走る大阪・長野間の営業キロは441.2キロ。所要時間は、長野へ向かう9号で4時間56分(8時57分発・13時53分着)、大阪へ向かう16号で5時間14分(14時4分発・19時18分着)に達する。

新大阪・名古屋間で東海道新幹線を利用するほうが1時間以上早いが、大阪方面からの利用では乗り換えなしで、いい時間帯に長野へ到着・大阪へ帰着できる。

しかし近年は、全区間で車内販売の営業がなくなり途中駅での停車時間も短いことから、うっかり食料や水の調達を忘れて乗り込むと飢餓状態に陥る危険性をはらむなど、使い勝手の悪さも見られるようになっていた。

JR側も、走行区間が西日本と東海、東日本の3エリアにまたがることで運行・運用が複雑になることを必ずしも歓迎していなかった節がある。


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■新たな「最長特急」は?

「にちりんシーガイア」などに使われる783系車両
「にちりんシーガイア」などに使われる783系電車 画像出典:wikipedia

「大阪しなの」が姿を消すことで「最長特急」に繰り上がるのは、現在2位のJR九州が運行する特急「にちりんシーガイア」。博多・宮崎空港間の413.1キロに上下合わせて3本が走る。所要時間は6時間4分かかる便もあって「大阪しなの」よりも長く、現時点でも「最長」だ。

ただしJR九州は、博多・宮崎間の利用には博多から九州新幹線で新八代(熊本県)に向かい、宮崎行きの高速バスに乗り継ぐルートを「推薦」。専用の割引きっぷも発売している。

「推薦」ルートの所要時間は約3時間と「にちりんシーガイア」の半分で済むだけに、新たな「最長特急」も決して安泰とはいえないようだ。

(文/しらべぇ編集部・前田昌宏

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Sirabee編集部

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