小保方さん手記発売!『現役早大生』は今、何を思うのか【理系編】
2016/01/30 09:00
■学生たちはレポートに忙しい
一連の騒動で問題となった点のひとつに「専門性が非常に高い問題ゆえ、正しいか正しくないかが一般人にはわからない」ということがある。
しかし、ここは仮にも小保方氏が青春時代を過ごした場所。専門的な知識を有した学生たちが、学問と研究に勤しむ場所。きっと、STAP細胞騒動に関しても、我々とは違った目線で話してくれそうだ。
訪れたのはキャンパス奥にある食堂。取材班が現地に着いたのは19時頃だったにも関わらず、100人を優に上回る学生たちが勉学に没頭していた。そう、今はレポート期間なのだ。
■理系学部でも興味はなかった
取材班は学生たちに聞き込み調査を開始した。明らかにレポート中の人は避け、休憩をとっていそうな学生に話しかける。
①理工学部3年男女2人の場合
A 「レポートはその影響でめちゃくちゃ厳しくなったけど、それくらいですね。特定の学科以外は関係ないというか、身近な人ではない感じ」
B「個人的には『頑張った結果じゃん』とは思うけど、今はレポートでそれどころじゃないですね」
時間を割いてくれたものの、文系学生同様、小保方氏についてとくに思うことはなかったようだ。
②理系学部男子3人の場合
次に話しかけたのはレポートがすでに終わったのだろうか、カードゲームに興じていた男子学生4人。粘って深堀すると、重い口を開いてくれた。
C「業界の癒着が暴かれたらいいなとは思いますけど、小保方さん自身に世間が懐疑的なので厳しいかなあと」
D「あとやっぱり、起こっている世界が遠いですね。同じ早稲田と言えど、学部はもちろん学科が違えば関係ないし、研究の中の事件だけではなくなっちゃったというのもあるし…」
E「それはそうだね。それなのに、ニュースキャスターが批判していたのは違和感を感じたなあ。だって、専門知識なんてないじゃないですか。真相が暴かれるまで、ウソのニュースを流してたのも自分たちなのに。
開示された情報量に限界はあると思いますが、報道する時点で責任を持つべきだと思いました。人が死んだりって、滅多なことじゃ起こらないですから」
話を聞いた時には「とくに思うことはない」と言っていた彼ら。しかし、その奥底にあったのは文系学生同様、メディアへの不信感であった。
なお、「学科が違えば関係ない」という彼らの発言を受け、記者が「では、早稲田の理工学生の中で、STAP細胞について真偽を判断できる人はどれくらいいる?」と問いかけると、「ほとんどいないと思います」という答えが返ってきたことをお伝えしておこう。
一体、あの騒動について一定の見識を持って語れた人は、日本に何人いたのだろうか?
■若者が信じなかったのは小保方氏じゃなかった
文系理系総勢50人以上の早大生に話を聞いた今回の取材。わかったのは、若者たちのマスメディアに対する不信感と、徹底して冷めた姿勢であった。
小保方氏やSTAP細胞問題について、冷静かつ知的に自分の意見を述べる学生たちは、世間が言うような『さとり世代』のイメージとは少し違っているようだ。
そこには発信に対する慎重な姿勢と、見ているだけではわからない冷静なマインドが存在した。
「いい意味でオトナなんだと思いますよ。遊びが子供なだけでね」
カードゲームを手にしながら、不敵に笑った学生たちの本当の気持ちを、メディア側はしっかり見つめるべき時に来ているのかもしれない。
(取材・文/しらべえ編集部・岡本拓)
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