鹿児島の避暑スポット唐船峡の「そうめん流し」は流しそうめんとはひと味違う

こんにちは。かつお節生産量日本一の鹿児島県枕崎市でかつお節屋を営んでおります「出汁男」こと中原晋司です。

夏真っ盛り。鹿児島でも、気温が高く夏バテしやすい季節となっておりますが、鹿児島県民ならほとんどの人が一度は行ったことのある、避暑スポットがあります。

それは、高原などの標高の高い山間部ではありません。鹿児島市内から車で1時間半ほど、薩摩半島の南端、指宿市内にある「唐船峡(とうせんきょう)」という場所です。

唐船峡は、薩摩富士と呼ばれる「開聞岳(かいもんだけ)」の麓にあります。まわりは菜の花畑や水田などが広がる田園地帯。突如その真ん中に、ビルで言えば地下6階分位の深い谷間が存在しているのです。

江戸時代には近くまで入り江が迫っており、唐船が舟を着けていたことが名前の由来だそうです。


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■鹿児島が誇る避暑スポットで食べられるグルメとは?

150813 唐船峡そうめん流し入口

人々は、その地下部分にぞろぞろと階段やエレベーターで入っていきます・・・なぜか? 実は、「ひんやりした雰囲気の中で、冷たいそうめんが食べられる」からです。

今回はその「唐船峡のそうめん流し」をレポートします。

唐船峡では、毎日水が10万トン湧出しており、年間平均約13度の水温を保っています。この水を利用して、「そうめん流し」を楽しむことができるのです。

鹿児島以外の地域では、「流しそうめん」と呼ばれて、竹筒を伝ってそうめんをすくう方式が一般的。ですが鹿児島で一般的なのは、水圧を利用した回転式流し器を利用した「そうめん流し」なのです。

150813 唐船峡そうめん流し器

7~8人ほどで座れる円形の座席の真ん中にあるのは、円形の流し器。

流し器の真ん中には、ざるに入れたそうめんを置く場所があり、そのまわりには流れるプールのような原理で、そうめんを流せる円形水槽となっています。

150813 唐船峡そうめん流し そうめんとつゆ

自分でそうめんをすくい、円形水槽に入れたら勝手に流れ、お箸を水槽に挿したら回転により冷やされたそうめんが自動で絡みつくという、とても合理的なシステム。

流す人と食べる人が同じで、かつロスもない仕組みです。「流されたそうめんをすくう」という受動的なシステムではなく、「自分でそうめんを流す」という能動的なシステムだから、「そうめん流し」と呼ぶのでしょう。

唐船峡という、谷間の真ん中で木陰に覆われ、大量の湧き水が流れているマイナスイオン満点の環境で、冷たいそうめんを食べる。

鹿児島県民にとっては、そうめんを流す楽しさもあり、アミューズメントパークのような避暑スポットとして楽しまれています。地元民だけでなく、県外の観光客も団体旅行のバスや、指宿温泉に宿泊されるお客様が多数。

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■そうめんつゆの出汁にも注目!

冷やされたそうめんも抜群に美味しいのですが、実はそうめんつゆも絶品なのです。

つゆは九州・鹿児島らしく甘めの仕上げで、枕崎産かつお節をふんだんに出汁に使用し、かつおの香りが麺に絡みつきます。やはりそうめんつゆも出汁が命。

鹿児島が誇る避暑グルメ。まだ行ったことのない方は、ぜひ一度。

【指宿市営 唐船峡そうめん流し】
営業時間 10:00~17:00(夏季延長有)
定休日:年中無休
住所:鹿児島県指宿市開聞十町5967
電話番号:0993-32-2143

(文/しらべぇ編集部・中原晋司

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Sirabee編集部

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