離島への冒険旅行の数々①〜きっかけは式根島〜【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】
2015/04/22 11:00
ワシら家族は、息子が2歳のときから10歳まで毎年、沖縄県の八重山地方(石垣島周辺)などの離島へ、家族3人で旅行に出かけていた。
旅行と言っても、数日の休暇旅行というような雰囲気ではなく、1週間〜10日間ほどの時間を使って、離島の数々を巡り、各島で海に潜ったり、ジャングルを歩き回ったり、自転車で島を走り回ったり、地元の人々と交流したり……体力と頭を使っての旅である。幼い息子にとっては「ちょっとした冒険旅行」のようなものだっただろう。
息子が生まれる前は、ワシも妻も「アウトドア」的な趣味や経験はまったくなかった。ちなみにワシは泳ぎも決して得意ではないし、自然の中でテント張ってキャンプしたこともないし、自分で計画を立てての旅経験もないし、車で遠出することもない。ちなみに車の運転は30歳超えてから一切していない。
正直言えば、そういう「アウトドア」的な活動や「アクティブ」的な活動が得意ではないし、特別好きでもなかった。
そんなワシと、根っからインドア派の妻(ちなみに妻は学生時代は漫画研究会所属であった)が、なぜ、毎年幼い息子を連れて3人で離島を渡り歩くようになったのか……その理由は2つあった。
■毎年離島へ旅行に出かけるようになった2つの理由
1つめの理由は、男子を育てる上で「冒険」はどうしても必要な要素の1つではないかと思えたことだ。
そして、もう1つは……息子が生まれた頃、ワシが何十冊もの教育本を読んだという話は以前したと思うが……それら多くの教育本のほとんどに、「自然と触れ合う」ことが子供の脳みそを成長させる上で重要であるということが書かれてあったことである。
そして、それらの本を読むたびにワシの頭の中では、「ん~~~子供には自然が必要か~~、ワシってば、アウトドアとか全く経験がないしなあ~~~どうすっかなあ???」などと思案していた。しかし悩んでばかりいても仕方ないので、妻と相談し、とりあえず手っ取り早く海に連れて行ってみようということになった。
■式根島旅行をきっかけに、2歳の息子は泳げるように
Photo by *pb*
ということで、息子が2歳のとき、伊豆七島にある「式根島」という島に行ってみた。式根島は、東京の竹芝桟橋から高速船で3時間くらいで行ける場所だ。式根島にある湾状の海は、波も穏やかで泳ぎやすく、いろんな魚もウヨウヨいる。カニやウツボやフグも見ることができる。沖縄まで行かなくとも、近くで魚のいる海に子供を連れて行くには最適な場所である。
このとき息子はまだ泳げなかったので、ワシら夫婦の押すゴムボートに乗って海の中を覗き込んだり、ワシらの体にしがみつきながら顔を水につけ、魚などをゴーグル越しに見たりして海を楽しんでいた。息子は、この2歳の時点で、水を怖がらず、息を止めて顔を水につけることができた。
多分、ワシら夫婦が、幼い息子と風呂に入るときに、シャンプーハットなどを使わずに、頭からシャワーでお湯をかけジャブジャブと息子の頭を洗ってやっていたからだろう。だから息子は水が顔にかかったり、顔を水につけることを恐れることはなかったのだと思われる。
なので子供にはできるだけシャンプーハットなど使わずに、顔に水がかかることは慣れさせておいた方が良いとワシは思っている。
式根島で海と水を怖がらずに楽しそうにしている息子を見たワシら夫婦は、「チャンスだ!」と思い、東京に帰ると早速、区営のプールに息子を連れて行った。そして、何をしたかというと……息子にゴーグルを買ってやり、プールの中で「水中にらめっこ」をやってみたのだ。
水中で息を止めて、ワシらと「にらめっこ」をする……そんな「水中にらめっこ」に息子は夢中になった。気がつけば、息子は息を止めて頭まで水につかるということが簡単にできるようになっていた。
で、そのとき……ワシは、息子の両手をつかみ、水中で引っ張ってやった。スーパーマンが飛んでいるときのように、手を伸ばし、足を伸ばした息子は、水の中で引っ張られ、前に進むことに……キャッキャとはしゃぎ、同じことを何度もおねだりしてきた。ワシは、何度も勢い良く引っ張ってやるうちに、スッと手を離してやった……
すると、少しの間だが、息子が水中で浮いたのだ。繰り返しそれをやっているうちに、息子は浮身ができるようになり、やがて、自分から水に浮いて泳ぐマネをしだした……
これが息子が泳げるようになりだした瞬間である。
その夏、息子は自分から水で遊ぶようになり、水中で宙返りをしたり、海に行けば、水に潜って砂の上に落ちている海藻を拾ったり……まるでカッパのように海を楽しむようになった。
これがキッカケで、ワシら家族は毎年、日本の南端の島々を旅するようになったのだ。次回からは、いままでワシら家族が経験してきた離島への旅の数々をお教えするつもりだ。
続きは次回。以上。
(文/溜池ゴロー)