子供を習い事に通わせる理由とは?②【溜池ゴロー、子育てこそ男の生き甲斐】
2015/03/25 11:00
前回に引き続き、今回も「子供の習い事」について書こうと思うが……そもそも、なんのために子供を習い事に通わせるのか?
もちろん、親それぞれ様々な理由があるだろう……。
単純に「プロ野球選手になってほしい」「サッカーでワールドカップに出場してほしい」「ピアニストになって欲しい」「速く美しく泳げるようになってほしい」などの技能や才能面からの理由もあるだろう。
また、「根性をつけさせる」「チームワークを学んで欲しい」「体力をつけてほしい」「礼儀作法を身につけさせる」など日常や社会生活で必要な面からの理由もあると思われる。
で、ワシは思っている……各種目の技能的才能も、体力や根性も、チームワークも礼儀作法も、すべては「子供の能力」であると。
なので、ワシの観点からから言えば、何を習わせるにしても「子供を習い事に通わせる理由」は、「子供に能力をつけてもらいたい」ということに尽きる。そう、親は子供に「能力」を身につけさせるために「習い事」をさせるのだ。
そう考えたほうが=「どんな能力を身につけさせるのか」と考えたほうが、「何を習わせるか」ということと「習い事の目的と方針」がハッキリする。
■息子の習い事4つの方針
少なくともワシは、この考えを元にして、「息子の習い事」に関しての方針を立てた。それが、前回書いた以下の4つである。
① 文武両道を目指そう。
② 選択肢を多く見せて、少しでも興味を持ったらやらせてみる。
③ 息子がやめたいと思ったら、さっさとやめさせる。
④ 幼い頃は、チームワークよりも個人能力を高められるもの。
で、①と②に関しては、前回説明した。なので、今回は、③の説明をする。
③息子がやめたいと思ったら、さっさとやめさせる
こう言う風に書くと、「子供を甘やかし過ぎでは?」と思う方もいらっしゃるだろう。確かに、「子供に、一度始めた習いごとを簡単にやめさせてしまうと、やめ癖がついてしまい、何事も続かなくなってしまうのでは」という意見もよく耳にする。
しかし本当にそうだろうか。その習い事を一度始めたからといって、必ずしも続けなければならないとは、ワシは思わん。
なぜならば、嫌なものを嫌な気持ちで続けていても、身に付くとは思えないし、イヤイヤやっていても時間の無駄のような気がするからだ。そして言うまでもないが、逆に好きな事は放っておいても勝手にやるだろうし、身にも付きやすいだろう。
なので、先ほども書いたように、「習い事」が「子供の能力」を身につけさせるためのものだとしたら、その場所にイヤイヤ通い続けることはナンセンスだと思う。子供が習い事を「やめたい」と言うからには、必ず子供なりの理由があるはずである。
■「やめたい理由がどこにあるか?」から対処を考える
ただし、その「やめたい」理由が「どこにあるか」を親は知るべきだ。そして、その理由のあり場所によって、対処は変わってくる。
例えば、子供のやめたい理由が「習い事自体にある」のか、それとも「習っている場所にある」のかというようなことなのだが……
前者の場合、子供の心の中では、その習い事がまったく面白くなくなっているか、その習い事に必要を感じなくなっているかだろう。なので「習い事自体をやめる」という対処が良いかもしれない。
しかし後者の場合は、子供にとって、教室やスクールでの「環境」に問題があるのであって、その「習い事自体」はやめる必要はないと思われる。場所を変えてみると、再び楽しく習い続けることができるかもしれない。
ちなみに、ワシの息子で言えば……レスリング、ラグビーは1年間でやめた。ブラジリアン柔術は休止中。英語は、保育園時代に幼児用スクールで2年間やり、小学4年生になるときから別の英語塾で再開。そして水泳に関して言えば……。
■3つのスイミングスクールを渡り歩いたワケ
息子が現在通っているスイミングスクールは、実は息子にとって3つめである。1つめは、息子が4歳のときに入会した近所にあるスイミングスクールだった。しかし、すでに海でガンガン泳いでいた息子にとっては少しもの足りず半年でやめた。
次に、ちょっと遠くにある名門で有名なスクールに入り、小学校に上がってからは選手になり、大会にまで出るようになったのだが……3年生の途中、息子から練習に行くのが嫌になってきた様子が見えだした。あれだけ泳ぐことが好きな息子が、練習に行きたがらなくなったのだ。
ワシら夫婦は、息子が「水泳自体をやめたい」のか、それとも「現在通っているスイミングスクールが嫌」なのかを知るために、息子としっかり話し合いをした。
息子が言うには「水泳は好きで続けたい」らしいが、あそこのスクールに行くのがどうしても嫌だったらしい。
なので、すぐに他のスクールを探しだした……現在ワシの息子は、3つめのスイミングスクールで、選手として毎日練習を行っている。
先日、ワシと息子が2人で出かけたとき、息子はこう言っていた……「今のスイミングスクールの練習のほうが体力的には厳しいけど、すごく楽しい。前のところは、ただ辛いだけだった」と。
これは、ワシなりに解釈すると……現在通っているスクールの練習は凄く厳しく練習量も多いが、人数が少ない分、コーチの目が行き届き、しっかり指導してくれている。だから目標が見えるから練習が辛くても楽しい。
しかし、以前いたスクールは、名門であるがゆえに、大人数がいっせいに練習し、這い上がってきた選手を拾い上げて行く方式。
そのため、細かくは指導されず、息子にとっては目的無くただ泳ぎ続けているだけのような感じがして辛いだけだった……ということだと思われる。
もちろん、スクールによってやり方は違うだろうし、それぞれの特色があって良いと思う。
■子供の好みだけでなく、「習う場所と子供の相性」も大事
しかし、問題は……それが自分の子供に合っているかどうかだ。どんな習い事であれ、その教えてくれる場所や教室と、子供それぞれとの相性があると思う。
例えば、友達や知り合いが多勢いたほうが楽しいという子もいれば、友達が多いとふざけてしまってやりづらいという子もいる。皆と同じでありたいと思う子もいれば、皆と同じでなくても平気な子もいる……。
親は、子供に何かを習わせることを考えると、ついつい有名な名門スクールに目を向けがちだが、本当にそこで習うことが向いているかどうかも子供によってちがってくるだろう。
子供の習い事を選ぶ上で、「子供は何が好きか」だけでなく、「習う場所と子供の相性」も大事なことである。この2つを見定めるには、その「習い事」をとりあえずやらせてみるのが一番手っ取り早いはずだ。
なので「習い事」は……子供が少しでも興味を持ったことをまずやらせてみる。そして、楽しくやれるようなら続ければいい。
しかし、子供がその習い事をやめたいと言ったら、「やめたい理由」を確かめた上で、さっさとやめさせるか、さっさと習う場所を変えるかするべきだと、ワシは考えるのである。
なぜなら、「習い事」の最大テーマは、子供に「能力」をつけてやることだからだ。
ということで、次回は、④の【幼い頃はチームワークより個人能力を高められるもの】に関して説明しよう。今回は以上。
(文/溜池ゴロー)