イモリとヤモリの違いは6割が「わからない」 もう迷わない2匹の完璧見分け方
名前はそっくり、見た目もわりと似ている「イモリ」と「ヤモリ」。その見分け方と覚え方は…。
「イモリ」と「ヤモリ」の違いをどちらがどちらだと違いをはっきり認識している人は、どれくらいいるだろうか。
どちらもほとんどの人が名前を聞いたことがあるはずの身近な生き物だが、その見分けるポイントは認識していない方のほうが多いだろう。本記事ではその見分け方について解説したい。
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■イモリとヤモリは漢字をイメージして見分ける
簡単な見分け方は漢字に変換して考えてみること。
・イモリ→井守→井戸を守るのは水の中に棲む両生類(体の表面が濡れている)
・ヤモリ→家守→家の壁などにいて害虫から守ってくれるのは乾燥に強い爬虫類
と覚えておけば、間違えることはないだろう。
■イモリは両生類
イモリは、柔らかいゼラチン質に包まれた卵から生まれ、幼生のときはオタマジャクシのような形でエラ呼吸を行う両生類。カエルやサンショウウオの仲間だ。
大人になって肺呼吸を行うようになっても基本的には水中や水辺で暮らし、水棲昆虫などを主な餌としている。また陸上では皮膚呼吸も行うため乾燥には弱く、常に体の表面が濡れている必要がある。
お腹が赤いことから「アカハラ」という別名もあるが、これはフグ毒と同じテトロドトキシンという毒を持っていることをアピールする警戒色という説も。
■井戸を守るから「井守」
イモリもペットとして飼われることがあるが、その際に餌としてよく用いられるのはユスリカの幼虫(アカムシ)。蚊やアブなど、幼虫が水の中で育って人間を苦しめる虫たちを食べてくれることから、井戸を守る井守(イモリ)と大事にされてきた可能性がある。
TOKIOメンバーが活躍する日本テレビ系バラエティ番組『鉄腕ダッシュ』の「新宿ダッシュ」では、東京富士大学の屋上に作られたビオトープに「タモさん」「ミユキ」というイモリが棲み着き、繁殖していることが確認されていた。
■ヤモリは爬虫類
一方のヤモリは、一生を陸上で暮らす爬虫類。カメやトカゲ、ヘビなどの仲間だ。鳥と同じように固い殻に覆われた卵から生まれ、孵化したときにはすでに親を小さくしたような姿をしている。
足の指には極小の剛毛が生えており、「乾燥吸着」という仕組みを使って垂直な壁も楽々と登ることができる。トカゲとの違いは、目にまぶたがないこと。そのため、舌で瞳を頻繁に舐めて清潔さを保っている。
■家を守るから「家守」
人家の壁などにも多く棲み着くヤモリの主食は昆虫。ゴキブリやガ、ハエなど有害昆虫も多く捕食するため、人間にとってありがたい家の守り神的な存在として、漢字では「家守」や「守宮」といった表記も。
夜行性の生き物で、タンスの裏や押入れなど、暗闇を好む傾向もある。
■ペットとしても人気のヤモリ
ヤモリの仲間でも比較的大型になるインド原産のヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)は、その鮮やかな色合いや愛らしい仕草からペットとしての人気も高い。
芸能人にも愛好者が多く、「レオパ」の愛称で親しまれている。
■4割弱しか違いを知らない
しらべぇ編集部が全国20〜60代男女を対象に調査したところ、「イモリとヤモリの違いを知っている」と答えたのは、2015年には38.7%。2018年の同調査では、36.7%に低下している。
6割はよくわかっていないのだ。見た目がある程度似通っていること、さらには名前が1文字違いなだけでほぼそっくりなことも誤解を生む要因のひとつだろう。
もしも違いを尋ねられたのなら、イモリは体の表面が濡れており、水の中などに好んで生息する両生類、ヤモリは家の壁などにいて乾燥に強い爬虫類、これだけ答えられれば充分だろう。
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
対象:全国20代~60代男女1,500名/全国20代〜60代男女1,361名(有効回答数)