書類審査で『チョコボール』を貼りつける!? アパレル人事が見たおかしな応募者たち
2015/03/04 11:00
一時期、アパレルのギャルブランドで採用担当をしていたのですが、そのときに出会ったちょっとおかしな応募者をご紹介します。就職活動シーズンの今、学生のみなさんの参考になったり反面教師になったりしてくれれば幸いです。
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履歴書
Photo by Shigeru-a24
(1) 履歴書に顔文字
履歴書の右下のあたり、希望条件等を書く欄です。最後になって油断したんでしょうか、「どんなことでも精一杯頑張ります(^_^)」という、まさかの手書き顔文字で締めくくられていました。一瞬、スルーしてしまってからの二度見、三度見です。
(2) 写真が明らかにデカ目加工
履歴書の顔とも言える写真貼付欄。通常は「スーツ姿のバストアップで笑顔不可」は必須事項だと思いますが、アパレルの場合、大手企業を除けばそのあたり結構ユルめです。
それでもさすがにどうかなあと思ったのが、写真を、特に顔の部分を画像加工ソフトで加工してあるもの。なかには結構技術レベルが高くて履歴書段階では見破れず、実際に面接で会ってみて「……誰?」となったことも一度や二度ではありません。
(3)カワイイ封筒に入れてくる
しかも、普通のお手紙用の小さいやつ。だから履歴書も六つ折りとか八つ折りとか、無理矢理小さくたたまれちゃってるパターンです。
それでも応募先ブランドのテイストにあったオシャレな封筒を使って来るならまだしも、キキララとかハローキティみたいな子供向けキャラクター封筒だったので、驚きや怒りを通り越してドン引きした記憶があります。
(4)デザイン画にチョコボール
デザイナー募集のときには、履歴書と一緒にデザイン画(服のイラスト)も送ってもらうのですが、これには決まった書式やルールはありません。ありませんが、さすがにチョコボールをデザイン画に貼りつけて送って来られたときにはビビりました。
「黒くて丸い玉が連なったアクセサリー」のツヤっぽい質感を伝えたくて貼ったらしいのですが、何も食べ物を使わなくても……。真意を確かめたくて書類審査は通過させましたが、これが狙いだったとしたらかなりのやり手でしたね。
面接
(1)夜感が抜けない
アパレルの面接ではセンスを見るためにスーツではなく私服で来てもらうことが多いのですが、このときに“夜のお仕事”を長くやっている女性はだいたい分かります。あからさまに胸を強調する服の人もいますが、そこまでしてなくても髪、爪、靴、メイク、仕草にはどうしても「夜っぽさ」が出ます。
とりわけ特徴的なのが「さわやかさのない愛想の良さ」です。だからといって即不利になるわけではありませんが、職歴をごまかす行為は良くないでしょう。
(2)ずっと女優帽をかぶっている
彼女は面接部屋に入ってきたときからタダ者ではないオーラがびんびんに出ていましたね。ばっちり決まったモード系おしゃれ服に、薄めだけどはっきりとした品の良いメイク。カツカツと鳴るヒールの音も決して耳障りではないのは、姿勢の良さと歩き方の美しさのおかげでしょう。
経験値も申し分なく、デザイナーとしてはパーフェクトに見えた彼女でしたが、実は緊張していたのでしょうか? 面接の最初から最後まで、頭にかぶったつば広の女優みたいな帽子を脱ぐことはありませんでした。
(3)会社の入り口に彼氏が迎えに来てる
面接が終わり、エレベーターで1階に降りていった彼女。オフィスに戻りふと窓から下を見下ろすと、ちょうどビルから出てきた彼女が手を振りながら駆け寄る相手は、肌も服も真っ黒のギャル男(死語)。そのまま腕を組んで帰っていきました。
いや、別にいいんですけどね。せめて少し離れた場所で待ち合わせした方がいいんじゃないかと。
入社後
(1)入社3週間で社長に直談判。「こんなに残業ばっかりじゃクラブに行けないんですよ!」というキレ方をして辞めた女性
残業が予想より多くて文句を言う。そのこと自体はいいんですが、わざわざ「クラブに行けない」って言う必要、あったかな? 冗談ぽく言うならまだしも、彼女は今風に言えば「激おこ」で、言いたいだけ言うと次の日すっぱり辞めていきました。
(2)無断欠勤したあげく、メールで「もう辞めます。私の荷物は全部自宅に送ってください」と言ってくる男性
無断欠勤の上、電話にもまったく出ず、しまいには上記のようなメールを送って来て全社員の度肝を抜いた彼。想像の斜め上行く彼の行動に呆気にとられ、つい言われるがまま丁寧に荷物を梱包して送ってしまいましたが……ウンコでも入れとくべきだったのでしょうか。
以上は全て実話(脚色無し)です。
アパレルだから変わった人間が集まるのか、他の業種でもこれくらいの例はゴロゴロあるのか分かりませんが、人事採用というお仕事をすると他の職種では出会えない“個性的な”人間たちを見ることができますね。
(文/久保田フランソワ)
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