アニメが語るアニメのリアリティ「SHIROBAKO」【松澤千晶のアニメめくるめく世界】

SHIROBAKO

こんにちは。フリーアナウンサーの松澤千晶です。

私はアニメを見ることが大好きなのですが、たくさん見過ぎてしまうと、よくわからなくなってしまうことが多々あります。1クール(約3ヶ月)に放送されているアニメは50本近くありますから、欲張って一度にいくつも詰め込むとパンクしてしまうのも仕方のないことかもしれません。

しかし、そんななかでも自然と続きが見られるもの、スッとお話が入ってくるものがありまして…。それが、昨年度から引き続き放送されているアニメ「SHIROBAKO」です。


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■SHIROBAKOとは

SHIROBAKO=白箱とは、作品が完成したときに確認用に配布される白い箱に入ったビデオテープで、視聴者の目に触れる前に最初に出来上がる作品です。

この物語はひとつのアニメが出来上がるまで…その白箱に至るまでの苦労、そこからの様々な葛藤が描かれています。

個人的には知りたくない部分が見えてしまいそうで最初はあまり好きにはなれなかったのですが…凄いですね、それすらも魅せてしまう力があるようです。

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■何が面白いのか

アニメ業界が舞台で、主人公は制作進行というアニメ作りの要であり、作品のマネージャーのような存在。

高校生の頃に所属していたアニメ同好会の仲間と、場所は違えど日々奮闘していて…まとめてしまえばたったそれだけのお話。なのに、ロボットアニメやアイドルアニメにも負けず劣らず、いえ、それ以上のドラマがあるのです。

いわゆるお仕事アニメですが、「3話切り(3話まで見て視聴継続を判断する)」というアニメファンにとって暗黙の了解のようなテーマから、実際に存在しているような一癖も二癖もありそうな監督、スタッフなど、アニメファンなら2倍3倍楽しめる要素が盛りだくさんなのです。


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■実写で良いのでは?

これが意外とアニメだから良いのだと思います。ゼロから作り込まれた世界ならではの、嘘のリアリティを感じますから。

物語の中でキャラクターが出来上がるまでを描く回がありましたが、まさにその通り、この作品内でもキャラクターが生きているのです。画面に映っていないキャラクターの存在も感じるほど…特に私は矢野さんという先輩キャラクターが大好きで、画面にいない時でもお慕いしておりました。


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■この作品が教えてくれること

私は基本的に、魔法や夢を見せてくれるファンタジーが好きです…が、「SHIROBAKO」にはそういった魔法以上の「人の力」を感じます。ああ、人間って、こんな力を持っていたのだなと。

苦労の先には喜びがある。今日もアニメはこんなふうに人の手によって作られている。何より作り手の方々の愛が一番伝わってくる。様々な角度からアニメのありがたみを感じられる物語です。

そして何より凄いのが、このアニメを見ると「働こう!」という気持ちになるところ。

アニメを見て労働意欲がわくなんて、素晴らしいと思いませんか?生きていれば理不尽なこともたくさんありますが、働いたら負けなんて、きっと…たぶん…おそらく、そんなことありません。

素敵なことをたくさん教えてくれる「SHIROBAKO」。物語は佳境ですが、未見の方は真っ白な気持ちで、1話からご覧ください。

(文/フリーアナウンサー・松澤千晶

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Sirabee編集部

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