【100年以上の歴史】日本四大自治寮のひとつ北海道大学「恵迪寮」とは!?
2015/01/30 17:00
北海道大学の敷地内に、網走刑務所をモチーフとした放射状の形でそびえ立つ恵迪寮(けいてきりょう)。この名前がつけられたのは、1905年(明治38年)までさかのぼる。
東北大学明善寮、東京大学駒場寮(現在は廃寮)、京都大学吉田寮と並んで、日本四大自治寮のひとつだ。
全国津々浦々出身の約430人の学生が同じ屋根の下で生活をともにする「自治寮」とは、どのような場所なのだろうか。寮の執行委員に話を聞いてみた。
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■すべて自分たちで決定・運営
恵迪寮では、炊事・掃除・洗濯といった日常的なことはもちろん、寮の活動に必要なお金の管理、荷物の管理から物品の貸し出しまで、すべて寮生たちによって行なわれている。寮を運営している執行委員会のメンバーも、もちろん全員寮生だ。
執行委員会は会計部、炊務部、寮務部の3つの部局に分かれ、それぞれの部局での仕事に加えて寮の運営に関するさまざまなことについて話し合うため、毎晩「寄合」を行っている。話し合いは深夜にまで及ぶこともあるという。
■半年間の暮らし方を決める「部屋サークル制」
恵迪寮では6月と12月の年2回、部屋が替わる。その際、「こういう部屋をつくりたい」という案がある人は、趣意書で部屋のテーマを示してメンバーを募集する。
今までに存在した部屋としては、寮歌を普及する「寮歌部屋」、寮内に手作りの新聞を発行する「新聞会」、体育館などで寮生を集めてスポーツをする「スポ愛」、バイク好きが集まる「バイク部屋」、「チーム〇〇(〇〇は女子寮生の方の名前)」というある女子寮生を勝手に激推しする部屋などなど、バラエティに富んだ部屋が生まれるのが特徴だ。
ただ、寮生全員がそういった部屋で、複数人で暮らしているかというとそういうわけではない。寮には個室もあり、たとえば卒論の時期など忙しくなる時期には個室に移るという人もいる。
■寮での食事は?
寮では、基本的に夕食は部屋ごとに当番制で行われている。寮生はこれを「エッセン」と呼んでいる。その日の当番の人は、一人300円×部屋の人数分の食材を買ってきて料理を作る。部屋にもよるらしいが、3品以上、肉は1人当たり100g以上が料理の目安となってる。
料理のクオリティにこだわるのも特徴。たとえば、カレーであればスパイスから調合してつくるのが、寮生にとっては当たり前。自分の料理を人に食べてもらうことになるので、料理の腕前も上がりそうだ。
また、日曜日の夕食は、執行委員会の部局のひとつである炊務部が全寮生を対象に炊き出しを行う。これは「スペシャル」と呼ばれている。
一食当たり150円を目安に、安くておいしい料理を大量に作る。多くの寮生がスペシャルを食べるために共用棟(寮の中心に位置する棟)に集まるため、寮生の交流の場ともなっている。
■伝統行事「相撲大会」
さまざまな行事やイベントが頻繁に開催されている恵迪寮だが、なかでもとくに盛り上がるのは年に2~3回行われる相撲大会。
商品も豪華(定食屋のごはん大盛りの大盛り、ラーメン○人分、OBの方からの差し入れなど)で、寮生で土俵を囲み、白熱した取組が行われる。男どうしが赤フン一丁でぶつかり合う姿は迫力満点だ。
このように、いろいろな人が暮らす中で、自分たちの力で、自分たちがより楽しく、暮らしやすくなるよう日々話し合い、運営されている恵迪寮。最後に、新歓実行委員長より、来年度の新入生へ向けてのコメントをいただいた。
「なるようにしかならないし、なるべきようにしかならない」
一階にはグランドピアノも
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