【蔵元コラム】予備知識ゼロのビギナーがお気に入りの日本酒に出会える確率は1%?
2014/12/13 11:30
みなさん、こんにちは。宮城県の萩野酒造、八代目蔵元の佐藤曜平です。
日本酒に関してあれこれ勉強するなら、まずはおいしい日本酒を飲んでみてからだよね!とは言っても、今まで日本酒との接点が無かった人にとっては、
・どんな銘柄や種類があるのか
・買えるところ
・飲めるところ
・価格の相場
・自分の好みの味や香り
きっと、この辺りが分からないと思います。ビギナーさんが予備知識ゼロのまま、一発でお気に入りの日本酒に出会える確率は1%程でしょうか。私の経験からすると。
では、自分の好きな日本酒と出会うにはどうしたらいいのでしょう?※ここではお安い普通酒(経済酒)は除きます。
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①地酒専門店に行ってみる
コンビニやスーパー、ディスカウントショップ等ではなく「東京 地酒 酒屋」等のキーワードで地酒専門的を探して行ってみましょう。
東京都内であってもしっかりとした専門店は少ないので、面倒臭がらずに足を延ばすのが自分に合ったお店を見つける近道です。最近の地酒屋さんはオシャレでとても入りやすいお店も多く、スタッフさんもフレンドリーで知識も豊富ですので、初心者だということを明かして気軽に声をかけてみてください。
地酒専門店はたくさんの飲食店と取引しています。お店の雰囲気が気に入ったら、オススメの飲食店を教えてもらいましょう。ぜひパートナーやお友達を誘って、そこで様々な銘柄を楽しんでみてください。
また、特に都内では日本酒を楽しむイベントや試飲会等が近年たくさん開催されていますので、そういった情報も聞いてみるといいでしょう。
そして、地酒専門店にもお店独自のカラーがあります。華やかで現代的なお酒が多いお店、どっしりとした古風なお酒が多いお店など。そこでの最初の出会いが、今後の日本酒人生に大きな影響を与えることもあります。
お店によっては、敷居が高く感じたりすることもあるかもしれません。もし初心者に横柄な態度を取るようなお店なら、さっさと次に行きましょう。初心者に冷たい店なんてろくなもんじゃないです。
②百貨店の試飲販売会に行ってみる
大きな百貨店では、よく日本酒の試飲販売会を開催しています。実際に試飲できることに加えて、酒蔵の人や実際に酒造りに携わっている人が直接売り場に立っていることもありますので、いろいろなお話を聞くことができます。たくさん飲んだら何か1本は買ってくださいね。
③日本酒造組合中央会や各都道府県の酒造組合HPを見てみる
日本酒造組合中央会のHPには、日本酒に関する情報がたくさん掲載されています。また、リンクされている各都道府県の酒造組合のHPを見てみれば、その地域の銘柄や酒造組合主催のイベント等も紹介されていることが多く、ご自分の出身地の銘柄を知るいい機会にもなります。
ちなみに宮城県酒造組合では、「宮城の酒 選り取りナビ」というサイト内で、各種銘柄の特徴やおいしい飲み方をご紹介しています。また、「日本酒サポーターズ倶楽部・みやぎ」というメール会員を募集しており、会員の方には季節のイベント等の様々な情報をメールで配信しています。
④「日本酒カレンダー」で日本酒イベントを探す
「日本酒カレンダー」というサイトには、地酒専門店や百貨店での試飲販売会や、飲食店主催の日本酒を楽しむ会、酒蔵開放イベント等、実に多くのイベント情報が網羅されています。どのイベントが自分に適しているかを見極めるのがちょっと難しいかもしれませんが、ぜひ活用してみてください。
⑤試飲会やパーティーに参加してみる
そして、行ってみたいと思ったイベントがあったら、思い切って参加してみましょう。最初は緊張するかもしれませんが、飲んで勢いが付けば何とかなります(笑)
また、こういったイベントでは男女問わず素敵な出会いがあります。写真は、宮城県酒造組合主催の日本酒での婚活パーティー。近い価値観を持つ者同士が集まっていますので、自然と話が合いやすいようで、今回はめでたく13組のカップルが誕生しました。こういった場を通じて結婚したカップルも多いです。でも、あからさまな出会い目的はすぐにバレますからね(笑)
■年末の注意事項
いよいよ今年もあと少し。忘年会でお酒を飲む機会が特に多いこの時期には、お酒の席でバカな上司やアホな先輩に口に合わない日本酒を無理矢理飲まされて大嫌いになるパターンが、昔から非常に多いんです。とくに若者には。
その後何十年か経ってからまともな日本酒に出会い「今までこんな美味いものを知らずに生きてきたのか…orz 」と愕然とする人も多く見てきています(笑)そんなことにならないように、ちょっと注意して年末をお過ごしください。
そしてお気に入りの日本酒をみつけたら、ぜひ年末年始用にゲットしてください。
本当にお気に入りの日本酒との出会いは、きっと人生を豊かにしてくれます。これはもう絶対だと思いますので。
(文/萩野酒造・佐藤曜平)
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