「アベノミクスで生活が豊かになった」派遣・契約社員は0.8% 経営者はその20倍!
2014/12/10 21:00
Photo by Yosuke Hasegawa ART of MONEY WORKS
いよいよこの週末に投票が迫った、今回の衆院選。安部総理は「アベノミクス解散」と訴えて、これまでの経済政策の是非を問うている。
メディアでは、よく伝えられるアベノミクス。ところが、身近なところで「そのおかげで日々の暮らしが楽になったわ」という声を聞いたことがある人は、多くないのではないだろうか。
そこで、しらべぇ編集部では、生活が豊かになった実感値があるのかどうか、全国1880名の有権者に調査してみた。
Q.あなたは「アベノミクスで生活が豊かになった」と思いますか?
・そう思う:8.5%
・そう思わない:91.5%
豊かさを実感している人が1割弱いるものの、9割を超える国民がアベノミクスで恩恵を受けているとは感じていないことが明らかになった。これは、劇的な金融緩和によって一部の大企業は潤ったが、波及するはずだった経済効果がそれ以外の人々に行き渡っていないのではないか、という指摘とも合致する。
■職業別で見た「アベノミクスの恩恵」実感
・経営者(50名):16.0%
・自由業(53名):18.9%
・派遣・契約社員(119名):0.8%
職業別で見ると、格差の構造がさらに浮き彫りとなる。経営者と自由業では「豊かになった」と感じる人が平均の2倍前後である一方、派遣・契約社員では「全体平均の1割以下」。アベノミクスの恩恵を実感している非正規雇用者は、ほぼ存在しないと言っていいだろう。
■支持政党別では自民支持は無党派層の6.5倍
・自民党支持層(402名):24.1%
・支持政党なし(1156名):3.7%
もともと自民支持だった層に恩恵が集中したのか、豊かさを感じた結果として政権を支持しているのか。はっきりしているのは、自民支持層の4人に1人はアベノミクス効果を実感し、その割合は全体平均の2.8倍、無党派層の6.5倍にあたる。
■年収別で見てみると…
・〜100万円(350名):7.7%
・100〜300万円(471名):5.7%
・700〜1000万円(162名):15.4%
・1000〜1500万円(57名):21.1%
最後に、年収別で見てみよう。年収300万円以下では全体平均を下回るのに対して、700万円を超える人は平均以上に恩恵を感じていることがわかる。
こうして見ると、経営者、自民支持層、高所得者、いずれにおいてもアベノミクスの効果を感じているのは少数派のようだ。とはいえ、その実感値には確実に格差が存在する。それは、今後さらに拡大するのか。逆に、経済効果が広く波及していくのか。
有権者の皆さんは、どう考えるだろうか?
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年11月28日(金)~12月1日(月)
対象:全国20代~70代 男女計1880名
(文/しらべぇ編集部)