今、日本のワインが美味い!コスパも素晴らしい絶品国産ワイン3選
2014/09/29 15:00
こんにちは、精進料理研究家・食ライターの麻生怜菜です。
日増しに秋の深まりを感じる季節となってきました。食欲の秋、ぽっくりした栗やさつま芋、香り豊かな松茸など、これから食べたい旬食材がどんどん出てきますね。
この秋に食に関連して私が注目している映画が、『ぶどうのなみだ』です。北海道でのワイン造りをテーマにした作品で、2012年に公開された『しあわせのパン』という、これまた食を題材にした映画スタッフが贈る第2弾。
出演は大泉洋さん。北海道でワイナリーを営みながら小麦を栽培する、年の離れた兄(大泉洋さん)と弟(染谷将太さん)、キャンピングカーで自由気ままに旅する女性(シンガー・ソングライターの安藤裕子さん)の触れ合いを描いたヒューマンドラマです。
温かく心癒やされるストーリーもさることながら、近年、ワインの産地として脚光を浴びる北海道でのオールロケを敢行して捉えられた美しい風景、そしてワインと料理は見ものです。ちなみに映画では、「黒いダイヤ」と称されるピノ・ノワールという品種のブドウを育てています。
現在、日本のワインは、山梨をはじめ、北海道から九州まで全国的に栽培・醸造が行われています。地域の土壌や気候に合わせたブドウを育て、個性豊かなワインが生産されているのです。そんな日本のワインの中から、今回は2014年国産ワインコンクール(JAPAN WINE COMPETITION)にて受賞したオススメワインを紹介します。
■安心院スパークリングワイン シャルドネ
国産ワインコンクール2014、スパークリングワイン部門において、金賞・部門最高賞を受賞したワインです。大分県、安心院で収穫されたシャルドネを100%使い、国内でも珍しい瓶内で二次発酵する製法によって造られています。
瓶内二次発酵とは、瓶内で発酵・熟成をさせること。酵母の風味を引き出し、クリーミーな泡立ちに仕上がります。瓶内で醗酵させると、中に酵母=澱(オリ)が溜まってしまうので、デゴルジュマンという方法で酵母を取り除きます。ボトルを逆さまにして、首の部分に集まった澱を凍らせ、ボトルの栓を開けて、氷と一緒に凍った澱を抜き取る方法です。大変手間のかかった作業ですね。
この工程を経て完成したスパークリングワインは、とてもきめ細やかな泡立ちが特長です。香りはトロピカルフルーツと、酵母由来のトーストの香りが感じられます。すっきりとした辛口で飲みやすく、豊かな果実味とさわやかな酸味のワインです。野菜はもちろん、白身の刺身などあっさりとした和食に合いますよ!
※ラベル名:安心院スパークリングワイン シャルドネ
ブドウ品種:シャルドネ
ビンテージ:2012年
生産地:大分県
醸造元:安心院葡萄酒工房(あじむぶどうしゅこうぼう)
価格:2983円(税込)
■甲州ドライ
国産ワインコンクール2014、甲州辛口部門で金賞・部門最高賞・コストパフォーマンス賞を同時受賞したのがこのワインです。山梨県はワイン産地で、甲州種のワインが数多くありますが、その中で価格も含めて食卓で気軽に飲める日常ワインとして、特にオススメの一本です。
色は透き通った淡い黄色。グレープフルーツなどの柑橘系フルーツと、リンゴと蜂蜜を合わせたような甘くフルーティーな香り。味は、すっきりとした辛口で、クリーンで爽快な酸味があり、甲州特有のまろやかな苦味とミネラル感があります。自己主張が強くなく、さっぱりといただけます。和食の中でもあっさりとした野菜の煮物などを楽しめそうなワインです!
※ラベル名:甲州ドライ
ブドウ品種:甲州
ビンテージ:2013年
生産地:山梨県甲府市
醸造元:シャトー酒折ワイナリー
価格:1512円(税込)
■マイスターセレクション遅摘みマスカットベリーA赤辛口
国産ワインコンクール2014、国内改良等品種赤部門で、金賞・部門最高賞・コストパフォーマンス賞を同時受賞したワインです。マスカットベリーAというブドウの品種は、国内の赤ワイン向けのブドウで最も多く作られている品種です。その中でオススメの赤ワインがこの1本。
山形県朝日町は、昼夜の寒暖の差が大きく、土壌が適度にやせていて、土地に傾斜があるので水はけがよく、ブドウの果樹栽培には適しているといわれています。この土地で、糖度が十分に高くなる11月中旬まで待ってから収穫した遅摘みブドウを、10か月間樽で熟成させて完成させます。
色は深い赤。イチゴのようなベリー系の華やかな甘い香り。まろやかな渋みと、適度な酸味が感じられ、コクのある辛口です。赤みの刺身や、牛肉料理、焼鳥などの肉料理に合いそうです。
ラベル名:マイスターセレクション遅摘みマスカットベリーA赤辛口
ブドウ品種:マスカットベリーA
ビンテージ:2012年
生産地:山形県
醸造元:朝日町ワイン
価格:1940円(税込)
映画の話に戻りますが、『ぶどうのなみだ』の中で大泉洋さんがワイン造りに打ち込む様子は、まさにクールでカッコイイ職人の姿。ワイン造りの苦労を垣間見ることができ、より一層ワインの奥深さを知ることができるはずです!
今年は美味しい料理に合わせて、お気に入りの日本のワインを探してみるのはいかがでしょうか?
※画像は、「映画『ぶどうのなみだ』」公式サイトのスクリーンショットです
(文/精進料理研究家、食ライター・麻生怜菜)
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